Appleは米国時間9月3日、デンマークの世界最大規模となる発電用風力タービン2基の建設に投資すると発表した。また同社は、デンマークの大規模なデータセンターを現在運用していると述べている。
デンマークのヴィボーにあるこのデータセンターは2015年に計画が発表された。Appleは、広さ4万5000平方メートルの施設の運用を開始していると明らかにした。当初、デンマークの2カ所にデータセンターを建設する計画だったが、9億2100万ドル(約980億円)を投じるとしていたオーベンローのデータセンターの計画は2019年に中止されたと報じられた。
Appleによると、ヴィボーのデータセンターは欧州で「App Store」「Apple Music」「iMessage」「Siri」などのサービスを支えている。
また、ヴィボーのデータセンターは100%再生可能エネルギーで稼働し、その電力はエスビャウの風力発電プロジェクトや、ユトランド半島北部のティステズの太陽光発電プロジェクトを含む地元のプロジェクトによって供給されるという。AppleはEuropean Energyとの協力の下、風力発電プロジェクトと太陽光発電プロジェクトを推進していくとしている。
デンマークの南東の海岸に位置するエスビャウに設置されるこれらのタービン2基は高さ200m、発電量は年間62ギガワット時にのぼるという。この電力をすべて送電網に流せば一般家庭約2万軒分の消費電力をまかなえる計算になる。また、同社のデータセンターで消費されなかった電力はデンマークの送電網に供給される予定だ。これら2基のタービンは、洋上風力発電のための試験施設で稼働することになる。

提供:Apple
またAppleは7月、カーボンニュートラルに向けた自社の計画について発表している。2030年までに、同社の事業全体、そして製造企業のサプライチェーンや製品のライフサイクルでカーボンニュートラル化を実現するとしている。
「AirPods」向け小型バッテリーの供給元とされているドイツの企業Vartaは、Apple製品向けの操業すべてを再生可能エネルギーでまかなうと約束している。Vartaの他に、EMEA(欧州、中東、アフリカ地域)でクリーンエネルギーを目指しているAppleのサプライヤーとして、ドイツのHenkelやtesa SE、スイスのSTMicroelectronics、オランダのDSM Engineering、ベルギーの化学メーカーSolvayがある。
これらのサプライヤー企業による再生可能エネルギー活用に向けたソリューションには、DSMのオランダでの風力電力購入合意や、STMicroelectronicsのモロッコでのソーラーカーポートがある。
Appleの環境/ポリシー/ソーシャルイニシアティブ担当バイスプレジデントのLisa Jackson氏は声明で、「気候変動との戦いには、迅速な行動と世界規模でのパートナーシップが必要となる。ヴィボーのデータセンターは、現行世代の人々すべてが抱えるこの難問にわれわれが立ち向かっていけるという確固たる証明だ」としている。
「クリーンエネルギーに投資することで、ビジネスコミュニティーとローカルコミュニティーに対してクリーンエネルギーと優れた仕事をもたらす、ブレークスルーとなるイノベーションが実現される。これは地球と未来の世代のためにわれわれがリードしなければならない分野だ」(Jackson氏)

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。