本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、日本IBMが提供する「デジタルレイバーを運用監視するサービス」を取り上げる。
デジタルレイバー運用業務の効率化と高品質化を推進
日本IBMは先頃、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)によるデジタルレイバーの運用を遠隔監視するサービス「オートメーション・オペレーション・コマンド・センター(AOCC)」を国内で提供開始すると発表した。デジタルレイバーとは、RPAに代表される自動化ツールや人工知能(AI)を利用して作成されたソフトウェアロボットのことで、「仮想知的労働者」とも言われる。
RPAが注目される中、これまで手作業で行っていた定型的な作業をデジタルレイバーに代替させて自動化する取り組みが、企業全体に広まっている。それによって業務の効率化が進む一方、デジタルレイバーの運用負荷が増えている状況が広まり、一括して遠隔監視や品質管理を代行するサービスへの期待がここにきて高まりつつある。
AOCCは2017年から世界中の180社以上、1,800以上の稼働中のデジタルレイバーを監視してきた実績を持つ。具体的には、IBMの監視センターから次のようなサービスを提供している。(図1)

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- デジタルレイバーの有効化(品質チェックとスケジュール調整)
- プロアクティブ稼働監視(操作対象アプリや依存するインフラを含む)
- 統合インシデント管理(チケット起票、通知、エスカレーション設定)
- AI診断と自動復旧
- 問題判別用ログ検索とクイックFix
- 運用メトリクス管理と洞察に基づく改善提案
これらのサービスによって、デジタルレイバー運用業務の効率化と高品質化を強力に推進し、運用業務に関連する煩雑な作業からユーザーを解放。また、高度に自動化された一連のサイクルを継続的に実行することで、高付加価値業務へのさらなるシフトと業務の自動化を支援するとしている。
サポート対象のRPAソフトウェアは、「AutomationAnywhere」「Blue Prism」「UiPath」に加え、「IBM Datacap」など。サービス価格は、IBM Cloud上でのSaaS提供の場合、月額45万円からで、初期費用が別途必要となる。また、サービス時間や監視対象デジタルレイバー数などに応じて変動する。