IDC Japanは9月9日、国内ICT市場(支出額ベース)について新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の8月時点の状況を考慮した最新予測を発表した。2020年は前年比4.3%減だが、2021年は1.2%増の28兆2605億円に緩やかに回復するとしている。
製品セグメントごとの前年比市場成長率は、スマートフォン/PC/タブレットなどのDevicesが0.9%、サーバー/ストレージ/IaaS/ネットワークなどのInfrastructureが7.3%、Softwareが3.1%、IT Servicesが3.0%、Telecom Servicesがマイナス1.7%となる見通しになっている。
Devicesでは政府の「GIGAスクール」政策によるPC配備やテレワークの定着などからプラス成長に回復すると予想する。InfrastructureやSoftware、IT Servicesもグローバルサプライチェーンの回復やクラウドサービス事業者の継続的な投資対象などであることから回復を見込んでいる。一方でTelecomは、固定網のデータ回線は伸びているが固定やモバイルの音声サービスの減少分はカバーできないとした。

新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した国内ICT市場の前年比成長率の予測、2020~2022年、出典:IDC Japan(IT支出全体は、Devices、Infrastructure、Software、IT Servicesの合計。ICT支出全体は、IT支出とTelecom Services支出の合計)
現時点で同社は、市場が新型コロナウイルス感染症以前の水準に回復する時期を2023年以降と予想している。しかし、見通しには不透明な部分が多く今後の状況から大きく見直す場合があるとしている。