「Kubernetes」ベースのハイブリッドクラウドで稼働するプログラムを効率良く探したいと考えている人もいるのではないだろうか?また、Kubernetesでインストールに苦労したり、メンテナンスの詳細に煩わされることなく人工知能(AI)、機械学習(ML)やビッグデータ、あるいは従来型のデータベース管理システム(DBMS)を稼働させたいと思っている人もいるかもしれない。そういった人々に朗報だ。Red HatとIBMは米国時間9月8日、新たなワンストップショップ「Red Hat Marketplace」を公開したと発表した。
Marketplaceでは、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)のソフトウェアを幅広くそろえている。これらのプログラムはすべて、Red HatのKubernetesプラットフォーム「Red Hat OpenShift」上で稼働する。また、これらのプログラムは「IBM Cloud」に縛られていないため、OpenShiftをサポートするどのプライベート/パブリッククラウドでも実行可能だ。
Marketplaceで利用可能なビジネスプログラムは現時点で50を超えている。これらにはAI/MLや、データベース、モニタリング、ビッグデータ関連のものが含まれている。またMarketplaceでは、コンテナーのセキュリティやモニタリングを手がけるAnchoreや、MongoDB、Kubernetes向けの永続ストレージを提供するStorageOSのソフトウェアも含まれている。利用可能なプログラムは近いうちにさらに増えるはずだ。
これらプログラムはOpenShift向けとして認証されており、商用サポートが利用可能だ。また、オープンな「Kubernetes Operator Framework」上に構築されているため、OpenShiftでクラウドサービスのようなかたちでの運用が可能になる。さらに、自動化されたインストール、アップグレード、バックアップ、フェールオーバー、リカバリーといった機能もあらかじめ搭載されている。
また、このマーケットプレイスの有償プライベート版となる「Red Hat Marketplace Select」も用意されている。これによって、厳選された、事前認可済みのソフトウェアに容易にアクセスできるだけでなく、ハイブリッドクラウド環境に配備されているすべてのソフトウェアの利用量や課金額を環境を横断して追跡できるようになる。
さらに、すべてのMarketplaceソフトウェアの利用状況を測定することもできる。これにより、従業員がプログラムをどのように利用しているのかを正確に把握できる。またこの情報を用いれば、無駄を極力抑え、年度末のソフトウェア監査に伴う財務上のリスクにも取り組めるようになる。また、価格モデルの幅広い選択肢が提供されている。Marketplaceでは、時間単位の価格体系での製品提供も可能だ。
Red Hatのテクノロジーパートナーシップ担当シニアディレクターLars Herrmann氏は、ユーザーにとって、Marketplaceのソフトウェアは「管理ロジックの内蔵や、実装プロセスの効率化という観点で、OpenShiftでテスト、認証され、サポートされている。その結果、配備の自動化による運用の高速化とともに、スケーラビリティーとセキュリティの強化や、Kubernetesネイティブなインフラにおけるオーケストレーション能力の強化に向け、顧客を支援する」と説明している。
OpenShiftと、すぐに実行できるこれらのプログラムによって、企業はクラウドで自社のアプリケーションを迅速に稼働できるようになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。