システムインテグレーター(SIer)のシステムエグゼ(中央区)は、オンプレミスの業務システムのマルチクラウド環境移行を進めている。基幹システムをクラウドサービス「Oracle Cloud」に移行しつつ、フロント部分に「Microsoft Azure」を採用。相互に接続し、高速、安全、低遅延なマルチクラウド環境を構築したという。9月10日、日本オラクル(港区)が発表した。
顧客管理システム(CRM)、従業員用ポータルサイト、ワークフローといった基幹システムにおける業務フローが複雑化。テレワーク需要や事業継続計画(BCP)環境拡充などへの対応とあわせて課題だったという。
ユーザー数や環境数の増加に伴う運用コストも課題とする一方、クラウドサービス基盤は1社に集中していたという。新技術の導入、適材適所の機能拡張、コスト削減など、より最適な環境を模索できるマルチクラウドを検討したとしている。
CRMをIaaS「Oracle Cloud Infrastructure」に移行。また、「Office 365」を活用できるテレワーク環境を拡充するため、クラウドベースのディレクトリサービス「Azure Active Directory(AD) 」、仮想デスクトップサービス(Desktop as a Service:DaaS)「Windows Virtual Desktop(WVD)」などを採用したという。
Oracle Cloudの東京リージョンとMicrosoft Azureの東日本リージョンを相互接続し、両クラウドサービスを連携。CRM上のデータベースをAzureアプリケーションで高速、安全、低遅延に活用できるマルチクラウド環境を実現したという。
通信キャリアとの契約不要、両クラウドサービスのポータル画面から設定でき、約半日で接続。クラウド環境全体も2週間で構築できたとしている。