アクロニス・ジャパンは9月10日、オンプレミスの企業向けバックアップソフトウェア「Acronis Cyber Backup 15」と、上位版となるマルウェア対策保護やエンドポイント管理ツールを統合した「Acronis Cyber Protect 15」を発表した。同日から提供を開始した。
代表取締役 嘉規邦伸氏はCyber Protect 15について「バックアップのみならず、必要なセキュリティ機能を具備したスイート製品。5月にリリースしたCyber Cloud 9.0、8月にリリースしたTrue Image 2021、そしてCyber Protect 15を通じて、個人から大企業、クラウドからオンプレミスまで、すべての顧客にソリューションの提供が可能になった」と述べた。
アクロニス・ジャパン 代表取締役 嘉規邦伸氏
アクロニス・ジャパンはコロナ禍のセキュリティ対策として、2つの懸念を持っている。異なるベンダーのセキュリティ製品とバックアップ製品を導入している場合、障害発生時は当然ながら異なる動作を行い、復元対象となるデータの選択を妨害してしまう。また、サイバー攻撃の高度化に伴い、バックアップデータやバックアップアプリケーションを攻撃対象とするケースが散見されるようになった。
その結果として復元時にバックアップデータが利用できなければ、当然ながらビジネスの継続性に悪影響を及ぼす。このような観点から開発されたCyber Backup 15とCyber Protect 15は、いずれもセキュリティ機能の強化を図っている。
Cyber Backup 12.5でも提供していたセキュリティ対策機能を人工知能(AI)や機械学習で強化し、Cyber Backup 15ではマルウェアやランサムウェア、仮想通貨獲得を目的としたクリプトジャッキングに拡大。Cyber Protect 15は加えて、ゼロデイ攻撃を阻止するAIベースの振る舞い検知やURLフィルタリング、脆弱性評価、オンライン会議の保護、アプリケーションに対する更新プログラム管理の自動化といった機能を統合している。
アクロニス・ジャパン プロダクトマネージャー 伊藤安治氏
プロダクトマネージャー 伊藤安治氏は「現在はコロナ禍で自宅勤務を強いられているが、強制リモートパッチで(脆弱性を対象としたサイバー攻撃を)未然に防げる。(Cyber Protect 15は)1つの製品で提供できるのが大きな価値」だと強調した。
Cyber Backup 15は中堅中小企業向けのStandard、大企業向けのAdvancedの2エディション。Cyber Protectはバックアップ機能をファイルレベルに限定したエントリーモデルのEssentialsに加えて、Standard、Advancedの3エディション構成となる。いずれの製品もワークロードライセンスに対して無償のクラウドストレージが付与される。
たとえばCyber Protect Essentials - Workstationなら1ライセンスあたり5GB、Cyber Protect - Workstationなら1ライセンスあたり50GBを無償で使用できる。ここに有償クラウドストレージを追加することで、利用シーンに応じたクラウドバックアップが可能だ。Cyber Backup 15はサブスクリプション版と永続版、Cyber Protect 15はサブスクリプション版のみとなる。
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