私たちは、まずフィードバックがなぜ大切かを確認し合い、それからフィードバックの仕方と受け手の心構えを学びました。これらはオフサイト合宿のセッションやフィードバック研修というかたちで、全従業員が集合トレーニングを受けて身に着けるスキルです。
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そして、日頃のフィードバックが行われているかアンケートでモニターする他、年に一度「コンストラクティブ・フィードバック」という一斉調査を行います。この調査では従業員全員から「会社に」「上司に」「他部門に」「自部門に」向けた、それぞれ建設的なフィードバックを集めます。集まったフィードバックを元に、次の合宿テーマを決めたり、部門間の連携を強化する施策を行ったりすることでさらに会社が成長するサイクルです。
また、2019年にはMVF (Most Valuable Feedback) アワードが新設されました。これは従業員のノミネーションを元に半年に一度贈呈する賞で、フィードバック文化を実践する従業員を周りに認知する仕組みになっています。
教え合う文化--誰でも講師に
コンカーでは、誰でもどんなテーマでも業務時間中に講師となって開催できる「教えあう文化ワークショップ」というプログラムがあります。以前から取り組んでいる施策ですが、これが現在のリモートワークにとてもよくフィットしているのです。このお話は後ほど、第4回で詳しく説明します。
感謝し合う文化--モチベーションの源
自分のしたことが感謝される――。これは金銭的報酬に勝るとも劣らないモチベーションの源だと多くの人が気付いているとは思います。しかし、日頃から具体的に伝えられているでしょうか。心がけ、また継続することは意外に難しいもの。たとえ手軽に賛辞を送るシステムがあっても、です。
だったら全社で一斉にやろう、ということでコンカーでは半年に一度の投稿期間を設けています。2020年7月、約300人の従業員から集まった感謝のコメントは3033通。集まったコメントは従業員の上長にも共有されます。ペーパーレスを推進するコンカーですが、意外にもここだけは紙文化にこだわっています。手触りの良い高級紙に印刷されて、上長から手渡しされる「感謝の手紙」。厚みのある封筒を開くその時は格別の達成感に満たされます。この気持ちを「やりがい」と呼ぶのだと筆者は思っています。
(第2回は10月上旬にて掲載予定)
- 田中 由香(たなか ゆか)
- コンカー チーフ・カルチャー・オフィサー
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2012年、コンカーに製品翻訳担当として入社。
2014年、コンカーの文化づくりに取り組む有志集団「文化部」の2代目メンバーに加入し、社内イベント、社内報づくりなどで尽力する。
2016年には有志集団「コミュニケーションタスクフォース」を結成。雑談スポット構築など、社内でさまざまな仕掛けを実施する。
2018年、製品翻訳業務との兼務でチーフ・カルチャー・オフィサー(COO)に就任。2020年はCOOを専任し、コンカーの文化づくりに力を注ぐ。