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日本のネットワーク依存度が高まる中での品質確保

柳橋達也 (ノキアソリューションズ&ネットワークス)

2020-09-18 06:00

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界のビジネス環境は破壊され、新たな局面を迎えています。事業を継続させ、安定させるために、企業は、リモートワークとリモートアクセスを行う計画を導入し、または、それらを迅速にスケールアップすることによって、長い間にわたって確立されてきたビジネスモデルを再構成する必要に迫られました。

 これは、変化に向けて何年にもわたる着実なロードマップを持つ企業にとっても課題でした。日本の多くの企業では、書類の多くがデジタル化されておらず、遠隔地での作業を容易にするために必要な手続きがまだ行われていないため、移行が困難であると感じていました。

 デジタルトランスフォーメーションには成長の痛みが伴いますが、変化は新しいチャンスをもたらします。大きなメリットの1つは、何年も前から進められていた新技術の開発を加速させることが、今では最優先課題と見なされていることです。5G(第5世代移動体システム)は、日本の企業とそれを支える通信事業者にとって、よりデジタル依存度の高い経済への統合を加速させる重要な技術です。

 日本の通信事業者は、2020年3月に5Gサービスを開始しており、今後の不測の事態に備えて、より多くの日本企業が5Gの採用と運用統合の計画を加速させる可能性があります。しかし、業務の完全なデジタル化を目指す企業は、組織の技術的な複雑さやエコシステムの複雑さを管理するのに十分な信頼性と安全性を備えた大容量ネットワークが必要になります。企業の顧客が求めるサービスとネットワークの品質を実現するには、通信事業者はまず「品質」の定義を再考し、5Gネットワークの運用を根本的に見直す必要があります。

ネットワークスライシングによる品質SLAの保証

 企業にとって、5Gネットワークの品質定義と保守は重要です。4G以前の接続性の測定方法とは異なり、5Gでは、品質はネットワークの機能(または制限)ではなく、顧客のビジネス要件によって定義されます。品質は技術主導ではなく市場主導です。つまり、品質はネットワークをいかにビジネスにつなげるかによって決まります。

 エンドツーエンドの5Gネットワークでは、高速通信、信頼性、同期性、および低遅延を実現しながら、ネットワークのゆらぎと分離を低減します。これにより、ネットワークの決定論的な通信が改善されます。ただし、ユースケースが異なると、これらの要素の組み合わせも異なります。例えば、より効率的な機器の可視化のために、仮想現実(VR)ヘッドセットを使用する技術者は、高速通信および超低遅延を必要としますが、信頼性は中程度のレベルしか必要としません。一方、災害救援活動のための自律ドローンを制御するネットワークは、ドローンの状況認識と被災者とのコミュニケーションを強化するために、低通信速度、低遅延、高信頼性を必要とするかもしれません。

 このようなさまざまな事例に対応するために、5Gネットワークは、それぞれ特定のユースケースに合わせて調整され、個別にカスタマイズされた品質保証制度(SLA)要件を持つ数百または数千の仮想ネットワークセグメントに分割されます。 運用を5Gに依存している企業は、ベストエフォート型のアプローチは許容せず、通信事業者が品質保証のために行う「コミット型のSLA」の提供を望んでいます。

 企業が現在利用しているユースケースや、今後利用されるであろうユースケースでは、5Gネットワークは、ハイブリッドネットワークにレガシーインフラストラクチャーを組み込み、例えば、はるかに長く使われ、より広い範囲をカバーしている4G LTEネットワークと連携することになります。これらをトラッキングし、通信事業者が複数のSLAの同時提供を保証することは、手動プロセスに依存している運用チームにとって非常に負担が大きくなります。

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