コロナ禍入社組の苦悩--在宅勤務が生む悩みの種
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、2月半ばから「在宅勤務推奨」、4月からの「一切の出社禁止」、5月には「原則在宅勤務」と、コンカーは段階的なリモートワークを取り入れています。
一方、もちろんその間も新しい従業員は毎月入社します。面接はリモート、同期とはオフィスで一度会ったきり、先輩も隣にいない――。早く仕事を覚えたいのになかなかキャッチアップできないという不安を抱えたなか、ある新入社員はこう言いました。「前職だったらリモートワークでもこんな苦労はしなかったと思います」。リモートワークのせいでないのなら、一体何が問題なのでしょうか。
網の目のような人脈が高めていた業務生産性
コンカーには、チャットツールやウェブ会議サービスなどの連絡手段が揃っています。社歴が長く、どの部署にも気軽に話せる同僚がいる筆者は、堅苦しいお作法抜きでカジュアルに用件を済ませられます。
ところが、リモートワーク下の新入社員にはその何倍も工程があります。誰に聞けばよいか、今話しかけて大丈夫か、自分は何者で変な質問をしていないか、詳しく聞くためにリモート会議を改めてセットしてよいか…知らない相手とのファーストコンタクトですから、かなり気を遣ったことでしょう。社内地図や人脈のなさが彼らの生産性を落とし、不安を招いていたのです。
そこで、さっそく孤独感や不安感をケアする施策が行われました。
社長がメインパーソナリティの生番組「絆ミーティング」
毎週木曜の朝にウェブ会議サービス「Zoom」で生番組「絆ミーティング」を流しています。メインパーソナリティは社長です。この番組は、「仕事や家事の片手間の流し聞きでOK」という触れ込みで始まりました。
コロナ禍でキャッチアップや業績が「思ったようにいかなくても焦らないで…」というメッセージと業務のホットトピックを伝えつつ、人気コーナー「友達トーク」を実施しています。第1回目は最古参の従業員がゲスト。創業期の思い出話に花を咲かせました。エンディングでは次の回に社長と話す社員を指名。以前なら先輩との雑談の中で少しずつ見えてきた社内地図が見えてくる…そんな番組になっています。
在宅勤務でもできるのか!? オンラインで「オフサイト合宿」
コンカーでは、全社員が集まって会社の課題を考えるオフサイト合宿を実施しています。たとえば2019年は、「絆」をテーマに未来の仲間に向けた採用広告のアイデアをディスカッションしたり、フィードバックのロールプレイングをしたりしました。
合宿では日常業務を中断し、議論に集中することが重要です。そのためオフィスの外に会場を借り、1日缶詰状態で行います。一つの課題につき、以下のような流れでワークします。
- 会場に全従業員集合。会社の課題が共有される
- 1グループ5~6人に分かれて解決策を議論
- 4~5グループからなる予選ブロックに分け、解決策となる施策をプレゼン
- ブロック予選を勝ち抜いた優秀グループが全従業員に向けてプレゼン
オフサイト合宿の様子(出典:コンカー)
一つの課題が終わると、グループメンバーをシャッフルして次の課題へ進みます。大きな疲労感はありますが、だからこそ生まれる熱気と一体感は格別です。部署の垣根を越えた連帯感が芽生えたり、日々の忙しさに忘れかけていた情熱を取り戻したりと、新入社員が溶け込むきっかけの場でもありました。