統合データ分析基盤を展開する米Databricksは9月11日、日本支社となる「データブリックス・ジャパン」の設立を発表した。セールスフォース・ドットコムのコマースクラウド事業部で執行役員を務めていた竹内賢佑氏がカントリーマネージャーに就任した。
Databricksは2013年創業の米国企業。カリフォルニア大学バークレー校のAMPLabプロジェクトから発展し、Apache Sparkのオリジナルクリエイターによって設立された。2019年10月の時点で7000社以上の顧客、450以上のパートナーを抱え、ARR(年間定額収益)は2億ドル超となっている。
データエンジニアリング、データサイエンス、データアナリティクスの分野において、イノベーションを加速させる統合データ分析基盤を提供している点が特徴で、人工知能(AI)に特化し、Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)といったクラウドでのサービス提供と積極的なオープンソース化を事業戦略としている。
調査会社のGartnerが発表するマジック・クアドラントの「2020年データサイエンス& 機械学習部門」では“リーダー”に位置付けられている。
日本では、既にソフトバンクがDatabricksを使用して共通データプラットフォームを構築し、実店舗、コールセンター、バックオフィスのチームをサポートするためのデータに基づく新たなインサイトを提供している。日本経済新聞社は、アプリ「NIKKEI WAVE」において、AIを利用した記事の推奨アルゴリズム基盤にDatabricksを活用しているという。
竹内氏によると、日本法人では小売り&一般消費財、金融機関、メディア&エンターテインメント、通信、Eコマース(電子商取引)、エレクトロニクスなどの産業領域に注力し、需要予測&サプライチェーン最適化、レコメンデーション/パーソナライゼーション、IoT/M2M(Machine to Machine)といったユースケースをターゲットにするという。
「AIの民主化にはデータの民主化が必須であり、Databricksではデータ&AIの民主化 を強力に推進していく」(同氏)