マーケティングが弱点の日本企業に求められるサービス
以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、企業のDXにおいて最も重視すべき「顧客との接点」の領域を対象に「診断」を受けることで、マーケティングDXの推進につながると考えたからだ。
電通と電通デジタルが今回このサービスを投入した背景には、電通が実施した独自の調査「マーケティングDX調査2020」の結果が大きく影響したという。
この調査は、2020年5月中旬に従業員数500人以上の国内企業の経営者やマネージャーを対象に行ったもので、調査サンプル数は222サンプル。その結果によると、生活者を中心に捉えてデータドリブンで顧客体験を提供しアップデートしている企業、つまり、生活者中心のマーケティングDXを推進している企業が成果を上げている傾向があることが判明したという。(図4)
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電通と電通デジタルはこの調査結果に着目。企業のマーケティングDXにおける課題を可視化し、自社が取り組むべきアジェンダは何か、どう解決していくのか、について明らかにすることを目的に、今回の新サービスを開発したとしている。
電通と電通デジタルはこのマーケティングDX診断サービスを、2020年内は無料で提供する。2021年以降は個別見積もりとなる予定だ。
今回取り上げたサービスのキーワードは、マーケティングDXである。電通と電通デジタルが打ち出している「生活者を中心としたマーケティングDX」とは、どのようなものか。今回の診断サービスの内容から浮かび上がってくるのだろう。機会があれば、マーケティングDXが進んでいる企業の診断結果の実例が見たいものである。
日本企業の多くは規模を問わず、マーケティングに弱点があると言われる。さらにそのDXというと、何からどう始めていいのか分からないので、立ち往生している企業が少なくないのではないか。今回の新サービスは電通と電通デジタルが提供するので、さしずめ大手企業が対象になると見られるが、大手でなくても受けられるマーケティングDX診断サービスのニーズも結構あるのではないか。電通と電通デジタルにもそのあたりの対処を期待したいところである。