欧州連合(EU)の最高裁判所に相当する欧州司法裁判所(CJEU)は現地時間9月15日、「ゼロレーティング」という名の下でコンシューマーに商用サービスを提供する慣行が、インターネット中立性に関するEUの政策に反しており、すべてのトラフィックは同等に扱われなければならないとした。

提供:Pol Emile/European Commission
EUの裁判所が同域内のインターネット中立性について判断を下したのは今回が初めてだ。
「ゼロレーティング」とは、特定のアプリやサービスについてはデータ量に制限を設けずにユーザーに提供し、他のアプリやサービスについてはデータ量の上限に達した段階でデータ転送速度を下げるなどの制約を課すという通信事業者の慣行だ。
今回の判決は、ハンガリーの裁判所が地元の通信事業者Telenor Magyarorszagに対してゼロレーティングの慣習を中止する命令を下した2件の判決に続くものだ。
Telenorは、ハンガリーの裁判所の判決を不服としてCJEUに上訴していた。
CJEUの大法廷によると、ゼロレーティングはトラフィックの公平性と公正性を保証する目的である、EUのネット中立性政策を棄損するものだという。
2015年に採択されたEUのネット中立性規則は、施行された当初、非難を浴びた。
Access Nowの政策アナリストEstelle Masse氏は当時、次のように述べていた。「文言を厳密に解釈しなければ、欧州にこの規則に基づく28の法の施行が生まれる可能性があり、インターネットユーザーやインターネット業界に悪用や法の不確定性というリスクをもたらしかねない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。