物流や建設など複数の事業を展開する鈴与グループ(静岡市清水区、連結従業員数約1万2000人)で経理、給与計算などのシェアードサービスを担う鈴与マネジメントサービス(静岡市清水区、単体従業員数175人)は、2006年から中堅企業向け統合基幹業務システム(ERP)「奉行V ERP」を活用。
7つの事業と140社以上の個別決算の管理、連結期間を2カ月短縮しているという。9月17日、サービスを提供するオービックビジネスコンサルタント(OBC、新宿区)が発表した。
2002年に設立した同社は、2003年に鈴与、関連会社などの会計業務の受託を開始。各社が個別システムを保有しており、20種類、50以上のシステムが稼働していたという。グループ全体や事業グループごとの管理連結会計や制度連結会計に大きな運用コストがかかり、人も時間も足りなかったとしている。
2006年、会計業務の標準化と効率化、品質を向上できる統合会計システムを構築すべく、奉行V ERPを導入。基幹システムに必要な幅広い機能、ノウハウをマニュアル化できる直感的なわかりやすさなどを選定ポイントにあげている。
新入社員でも見れば操作できるようなマニュアルを作成。新たな経理担当でも3時間ほどで一通り指導でき、その後は遠隔や随時の訪問で済むという。あわせて日々の入力作業をグループ各社に一任し、各社への業務改善指導、連結決算業務といった上流部分に注力できる体制へと移行できたと説明している。
グループ内での業務標準化が進み、振り込みデータ作成などを自動化。精度の向上と効率化につながり、グループ各社、全体の作業時間は年々減少しているという。5カ月間かかっていた管理連結会計業務は3カ月に短縮できたとしている。
2018年にはオンプレミス環境からクラウドへ移行。140社以上、ピーク時は250台ほどが同時に接続するが、移行後は安定稼働。可用性を確保できているという。
保守管理から解放され、システム開発などのフロント業務に人的リソースを回せていると説明。ランニングコストは向上したものの、十分な利益があると伝えている。

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