セゾン情報システムズは、「HULFT」や「DataSpider」シリーズをサポートするテクニカルサポートセンターを運用。クラウドベースの顧客サービス支援システム「Salesforce Service Cloud」に加えて、2020年6月からクラウドベースのコンタクトセンター「Amazon Connect」を導入し、顧客支援を続けてきた。
その背景には問い合わせチャネルの多様化や対応品質などの課題に加えて、東京五輪開催を踏まえたテレワークや昨今のコロナ禍がある。同社は2019年から事業継続計画(BCP)も含めたCTIシステムのクラウド化を検討開始。現在のシステムに至ったと説明した。
その結果FAQの利用率は約5倍、従業員満足度(ES)調査は50%から80%、当日解決率も30%から70%に向上している。費用面でも「顧客対応件数は増加しているが、コストの維持に成功した」(吉原氏)。テクニカルサポートセンターは通常40~45席を用意しているが、記者会見開催時に出社した担当者は2人程度にとどまっている。
だが、Amazon Connectには2つの課題があったという。セゾン情報システムズの説明によれば、顧客からの電話連絡時に対応できない場合は留守番電話に接続するが、同システムは録音内容を確認するための機能は未実装。また、グローバルで展開しているサービスであるため、日本の祝日が登録されておらず、確認に要する工数が発生してしまう。
そこで同社は留守番電話の記録内容をSlack経由で担当者に通知するシステムや、休日設定をDataSpiderとAWSを連携するシステムを開発することで対応した。同社は得られた知見を生かした「コールシステム構築サービス」を提供している。
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セゾン情報システムは今後、コロナ禍で顧客と相対する機会の減少を踏まえ、ウェブ会議サービス「Zoom」を活用した「画面共有サポートサービス」を5月7日から試験運用として提供を開始した。当初9月末までの試験運用だったが、顧客から高い評価を受けて期間延長に至っているという。