PDFをスマホでも見やすく--アドビ、AIでレイアウト調整する「Liquid Mode」を発表

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 桑井章裕 長谷睦 (ガリレオ)

2020-09-24 11:52

 Adobeは米国時間9月23日、PDF閲覧ソフト「Acrobat Reader」に人工知能(AI)技術を活用した「Liquid Mode」を導入すると発表した。最高技術責任者(CTO)のAbhay Parasnis氏によると、これによりPDFファイルを再フォーマットする新たな表示モードが加わり、スマートフォンなどの小さめの画面で読みやすくなるという。

Liquidモード
提供:Adobe

 Liquid Modeは、学校や職場がオンライン環境に移行し、企業で電子商取引が採用され、重要書類がUSBドライブやクラウドストレージサービスに保存される状況のもと、PDFが人々の生活に欠かせない役割を果たす中で登場した新機能だ。

 この機能は切実なニーズに応えるものだと、Adobeは強調している。現状では、PDFのスマートフォンへの対応はうまくいっていない。PDFファイルはは小型デバイスの画面には収まらず、ユーザーはPDF文書の内容を読むだけでも四苦八苦している。

 これに対し、Liquid ModeはPDFというファイル形式を従来のレターサイズのページから解放するものだ。さらに、他のドキュメントの情報を参考にして、小さなスマートフォンの画面でも見やすいテキスト、グラフィックス、表のレイアウトを予測する。今後も、新規文書を開くとデフォルトで通常のPDFビューが表示されるが、ボタンをタップすると、Liquidモードに切り替わる。


 Liquid Modeは9月23日からまずAcrobat Readerの「iOS」版と「Android」版のアプリに追加され、今後デスクトップ版とブラウザー版にも追加されるという。

 AdobeがPDFを開発したのは1992年のことだ。同社は国際標準化機構(ISO)を通じてこのフォーマットを標準化したため、独占所有権は持っていない。PDFは広く普及し、これまでに兆単位のPDFファイルが作成されてきた。2018年の1年間だけでも、Adobeのツールを使って開かれたPDFの数は2500億部に達したと、同社は明かしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. 経営

    プロが教える“使える業務マニュアル”--作成・運用を実現する3つのポイント

  5. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]