人が書いたように高精度な文章を書けると関心を集めている言語モデル「GPT-3」を、Microsoftにライセンス供与するとGPT-3の開発元であるOpenAIが米国時間9月22日に発表した。Microsoftが自社製品にGPT-3を組み込める契約になっている。
2020年6月、OpenAIはGPT-3をAPI経由で利用できるようにするために、同社初の商用製品として開発者向けAPIの提供を開始した。これにより、開発者は、新たなアプリケーションを開発するための先進技術にアクセスできるようになった。
今回のMicrosoftへの供与によって、OpenAIが提供するAPI経由でのGPT-3へのアクセスに何も影響は出ないとしている。既存もしくは将来のユーザーは、API経由での開発を継続できるという。
現在のところ、OpenAIと学術パートナーがGPT-3の機能をテストし、評価している途中であるため、APIは限定ベータ版のままとなっている。
OpenAIはElon Musk氏がY Combinatorの前社長であるSam Altman氏などと2015年に立ち上げた企業。人工知能(AI)の開発や調査を手がけている。Microsoftは2019年7月、OpenAIに10億ドル(約1100億円)を出資すると発表していた。
GPT-3は、自然言語からコードを作成したり、人が書いたような文章を作成したりすることで話題を集めている。GPT-3のデモを公開しているYouTubeチャンネル「Half Ideas - Startups and Entrepreneurship」では、Wikipedia上で「なぜパンはふわふわしているのか」という質問を投げかけると、湿度のコントロールなどパンの柔らかさが保たれることの理由を、ごく自然な文章で回答するアプリケーションの様子を確認できる。