ヤマハ発動機は、世界各国で異なる個人情報保護法への対応と顧客接点の強化を目的に、クラウド型ID管理ソリューション「SAP Customer Data Cloud」を導入した。2020年3月に、同社最大の市場であるインドネシアで稼動を開始し、今後は他の国や地域での展開も視野に入れているという。
欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)、日本の個人情報保護法、米国のカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)など、個人情報の定義をはじめ、法規内容は各国でさまざまに異なるが、これらの法規則に違反した場合、現地拠点だけでなくグループ全体で責任を負う必要がある。
ヤマハ発動機は世界180を超える国と地域で製品を提供し、海外の売り上げが9割近くを占めており、グループ全体で一定水準以上のセキュリティレベルを満たすことは危機管理上、不可欠だった。
また同社では、スマートフォンアプリやウェブサービスなど、さまざまなユーザー向けサービスも展開しており、これらはサービスごとに会員の登録と認証が行われていた。これに対し、今後は一人ひとりの顧客の情報を集約し、顧客接点の強化を図る必要があった。
同社ではセキュリティレベルの向上と顧客接点の強化のため、複数のID管理ソリューションを検討した結果、消費者向け事業での利用に最も適しているという判断からSAP Customer Data Cloudの導入を決定した。