NECは9月30日、グループの基幹システムをSAP ERP Central Component(ECC) 6.0からSAP S/4HANAに移行し、インメモリーデータベースのSAP HANAをベースにしたビッグデータ基盤も構築して本番稼働を開始したと発表した。グループ会社のアビームコンサルティングのサービスを活用している。
同社は、2010年から国内外のグループ会社にSAP ECCのシステムを導入して、販売や経理、購買などの基幹系業務プロセスの標準化や経営の可視化を推進したと説明。S/4HANAによる新システムでは、人工知能(AI)や機械学習、データ分析などの機能によりビジネスプロセス全体でさまざまなアプリケーションと連動させ、デジタルトランスフォーメーション(DX)化を推進するとしている。
新システムは海外10カ国14拠点に導入済みで、今後順次展開していく予定という。移行では、アビームコンサルティングの「ABeam Cloud Conversion Express Factory for SAP S/4HANA」サービスなどを利用し、品質確保や効率化で短期の実行計画を策定した。また、テスト工程では、「Celonis」(プロセスマイニングツール)や「Blue Prism」(RPA)を組み合わせた自動方式「Digital Test」を採用して、大幅に工数を削減したという。
同時に構築したビッグデータ基盤は、これまで目的別に用意していたデータベースの統合とデータ加工の工数削減を図り、鮮度と精度の高いデータを提供できるようにしたとする。また、「Cloudera Data Platform」を採用してデータプラットフォームを二層化し、ビッグデータの分散処理や管理を行えるようにしたとしている。