名刺管理サービス「Sansan」を提供するSansanは商談をすることがある20~60代の会社員や経営者、役員を対象に商談や人脈、顧客データに関してウェブアンケートで調査。9月30日に結果を発表した。
新型コロナウイルスの影響から商談のオンラインシフトが加速する中、同社はオンライン上での出会いもデータとして蓄積することが継続的な企業成長には必要不可欠だと考え、6月から「オンライン名刺」機能の提供を開始。オンライン名刺を活用することで、オンラインとオフライン双方の顧客の名刺情報を蓄積し活用する「ハイブリッド顧客基盤」の構築の重要性を提唱している。
ビジネスパーソンの商談状況や企業の顧客データ基盤の構築が新型コロナウイルスの流行でどのような影響を受けたのか、実態を明らかにするために調査した。全国の600人の会社員と400人の経営者や役員が対象。サンプル数は1000件。
緊急事態宣言前後でオンライン商談は2.5倍に増加し、商談のオンラインシフトに伴い、名刺交換枚数は約3割減少したことが明らかになっている。一方で、オンライン商談の課題としては、50.2%が「対面よりも商談の質が下がる」、17.1%が「対面よりも受注率が下がる」と回答。商談の質や受注率に影響が出ていると表現。その結果、「ビジネス機会損失が発生している/発生する不安を感じる」という回答は76.7%になっている。
商談のオンラインシフトで顧客データを蓄積、管理、活用できなくなったビジネスパーソンが26.6%いることも判明している。顧客データに対する意識が高いビジネスパーソンが在籍する企業は、そうでない企業と比べてコロナ渦でも業績が良いという回答が1.6倍高く、今後1年間の業績の見通しも良くなるという回答が1.3倍高いことも明らかになっている。
顧客データへの意識が高いビジネスパーソンが在籍する企業ほど、将来的な業績の見通しも良く、顧客データへの意識と業績見通しに一定の相関がある可能性を示唆していると分析する。