VMwareは米国時間9月29日、「VMware Tanzu」の拡充を発表した。Tanzuはモダンなアプリケーションを構築および管理するためのポートフォリオで、1年前に発表された。
2020年3月には、Tanzuの一部として利用可能な最初の製品群が発表されている。最高経営責任者(CEO)のPat Gelsinger氏はその際、同社は「顧客のデジタル変革を可能にするユビキタスな中央インフラストラクチャー」になることを目指していると述べていた。
VMwareはこれまで、Tanzuのポートフォリオを拡充するとともに、パートナーエコシステムを拡大し、新規顧客を獲得してきた。
Tanzuとして最初に提供された「VMware Tanzu Mission Control」は、「Kubernetes」クラスターを、その稼働場所が「VMware vSphere」であるかパブリッククラウドであるかにかかわらず、またそれらがマネージドサービスか、パッケージ化ディストリビューションか、DIY型のKubernetesであるかを問わず、すべて一元的に管理できるようにする製品だ。
Tanzuの発表から1年が経過し、同製品群にはBitnamiやHeptio、Pivotal、Wavefrontの買収によって獲得した技術が取り込まれている。VMwareは9月、これらを含むサービスをパッケージ化したVMware Tanzuエディション「Tanzu Basic」「Tanzu Standard」「Tanzu Advanced」「Tanzu Enterprise」を発表している。
提供:VMware
また同社は、KubernetesをvSphereのコントロールプレーンに組み込んだ、「VMware vSphere with Tanzu」によって、あらゆるアプリケーションのための単一プラットフォームを顧客に提供できるとしている。
Gelsinger氏は、「1年前の発表から『VMware vSphere 7 with Tanzu』の出荷にこぎ着けたという点で、われわれのジャーニーは素晴らしいものだった。またこれは、われわれの顧客とパートナーの双方にとって、Kubernetes APIがわれわれのコアプラットフォームに統合されたということを意味している」と述べている。
また同社は29日、「VMware Virtual Cloud Network」を拡張し、「VMware NSX」を活用した「VMware Tanzu Service Mesh」と、Kubernetesクラスター向けのオープンソースネットワーキングおよびセキュリティプロジェクト「Project Antrea」のサポートを通じて、これらの環境を接続、保護するとした。
Tanzu Service Meshには、アプリケーションの持続性、耐障害性、セキュリティの向上に重点を置いた新機能が搭載されている。
新たな「VMware Container Networking with Antrea」は、Project Antreaを完全サポートする、署名付きイメージとバイナリーで構成される製品だ。同製品は、「VMware NSX-T」やvSphere 7 with Tanzu、「VMware Tanzu Kubernetes Grid」に搭載される予定だ。
また、Tanzuは「VMware Cloud on AWS」「Azure VMware Solution」でサポートされるとともに、「Oracle Cloud VMware Solution」でプレビューがサポートされることになる。VMwareとMicrosoftは近くアーリーアダプターにプレビューを提供できるよう連携している。
同社のアドバンスドテクノロジーグループのバイスプレジデントであるChris Wolf氏は、「顧客の観点から見た場合、VMwareスタック上のネイティブなKubernetesが使え、Kubernetesのポッドや仮想マシン(VM)を並行して実行でき、ソフトウェア開発者はインフラとのやり取りができるようになる。(中略)さらに、パートナーの観点から見た場合、われわれのスタック上で稼働するアップストリームのKubernetesが覆い隠されていないという事実は、あらゆるサードパーティーがVMware製品との統合を実現し、そうしたエンジニアリング作業の数々によってわれわれのプラットフォーム上でイノベーションを成し遂げ、われわれの競合との戦いの意味すら変えられるようになるということを意味している。これは実際、われわれのパートナーにとって極めてフレンドリーなものと言える」と述べている。
さらにVMwareはGitLabと提携し、単一アプリケーションとしてのDevOpsプラットフォームをもたらすと発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。