Microsoftが米国時間9月28日に更新した、Microsoft 365各プラットフォームに対する変更内容をまとめる。リリースノートによれば、バージョン2009(ビルド 13231.20262)へ更新したWindowsデスクトップ版の変更点は決して多くない。
機能の更新が加わったのはExcel、Outlook、Microsoft Teamsのみである。Excelは図形やグラフ、画像やSmartArtグラフィック、デジタルインク、テキストボックスのコンテキストメニューに「図として保存」を追加し、GIFやJPEG、PNG、SVG、TIFF、ビットマップ形式による画像ファイルとしてエクスポートする機能を追加した。別のコンテンツで画像ファイルを再利用する際に用いる機能である。
図形のコンテキストメニューで「図として保存」を選択した状態
また、株価や地理といったデータをExcelから参照するデータ型がPower BIのテーブルに対応した。厳密にはOffice 365 E5/A5、またはMicrosoft 365 E5/A5を利用する組織のデータが対象。たとえば顧客データのカード作成や条件付き書式によるデータの抜き出しなど、多くの場面で活用できるだろう。
同機能を利用するには、Power BIによるデータ型の変換やリンクしたデータ型の指定といった操作が必要になるため、興味を持った方はサポートページを併読してほしい。
そして計算結果に名前を割り当てる「LET」関数が新たに加わった。「=LET(名前1, 値1, [名前2…], [値2…], 計算)」の書式で利用し、たとえば「=LET(x, 5, SUM(x, 1))」をセルに入力すると、「x」は値として「5」を保持しているため、「6」が返ってくる。Microsoftによれば、LET関数を使用することで可読性の向上と計算回数の削減によるパフォーマンスの向上が見込めるという。こちらもサポートページのリンクを用意したので、あわせてご覧いただきたい。
Outlookは無制限アーカイブ機能(自動拡張オンラインアーカイブ)を有効にすることで、最大100GBの追加記憶域を利用できる。アーカイブに移動したメールの検索はOutlook for the web(ウェブ版Outlook.com)に限定していたが、その制限が今回外された。また、メール送信者名やアイコンにマウスオーバーすると現れるプロファイルカード(連絡先カード)は、相手の連絡先や組織情報、共同作業したファイルなどが現れるが、今回表示形式をOutlook for the webと統一している。
Teamsは以前から、OneDrive for BusinessやDropbox、Box経由のファイル共有に加えて、ファイルタブから直接ファイルをアップロードする機能を備えている。リリースノートには「ファイルを共有する」との説明があるものの、筆者の環境で確認した限りでは、新たなファイル共有シナリオは見つけられなかった。