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富士通、練馬/中央区と住民税賦課業務を支援するAIを実証

NO BUDGET

2020-10-06 14:53

 富士通は東京都練馬区と中央区と共同で、住民税賦課業務における不整合を抽出し、修正方法を提示するAI(人工知能)の全国展開に向けた実証を開始した。10月から実証システムの環境を構築している。

 住民税賦課業務における不整合は、確定申告書、給与支払報告書、年金支払報告書など複数種の課税書類の間で発生するという。

 今回の実証では、富士通研究所が2019年10月に実施した練馬区との共同実証の成果を基に開発したAIを活用。同AIでは、複数種の課税書類間の不整合を抽出して修正方法を自動で提案する。中央区のデータを用いてこの技術を導入し、効果を検証する。

 練馬区との実証では、「FUJITSU 公共ソリューション MICJET(MICJET)」で管理する確定申告書や給与支払報告書、住民税申告書などの課税書類の照合でエラー検出された不整合を利用。これらについてAIが不整合のパターンを判断し、賦課修正の要否と修正方法のレコメンドを実施した。AIによるパターン判断の精度を評価した結果、実業務に適用できるレベルの正答率98.4%だったとしている。

 また練馬区では、2020年度は約5.8万件のエラーが検出され、修正作業に約1450時間(予測値)を要する見込みだったが、AIを適用することで約680時間まで短縮するとともに作業時間を53.1%削減することができたという。将来的には、当初の目標である賦課修正工程における約60%の作業時間を削減できると見込まれている。

実証内容(出典:富士通)
実証内容(出典:富士通)

 今回の実証では、汎用的なAI仕様の策定やAIの導入/運用手順の標準化を検討していく。練馬区と中央区の課税資料データを学習させて構築したAIを他自治体でも活用できるよう、汎用的な仕様を策定するとともに両データを活用し、学習データ増加に伴うAIの精度向上を実証していく。

 また、自治体の規模に依存しないAI導入の効果を、検証やクラウド上で稼働するAIと連携させる際に必要な匿名加工などの情報セキュリティ対策を検討し、不適切なデータ移行が発生しないことを確認する。

 さらにAI導入/運用手順の標準化では、標準手順の妥当性や、法改正への対応などのAI導入後のアップデートにおける標準仕様の実現性と運用性について、有識者を交えて確認する。

不整合抽出/修正提示のAIアルゴリズムのイメージ(出典:富士通)
不整合抽出/修正提示のAIアルゴリズムのイメージ(出典:富士通)

 富士通研究所が開発した技術は、過去の課税書類の不整合箇所とその修正方法をAIに学習させ、異なる種類の書類間における矛盾の有無の判定と、矛盾が生じている場合の書類の修正提案を、それぞれ別のAIを用いることで高精度に実現するという。

 矛盾の有無の判定では、複数の学習モデルを併用することで、より高い精度での判定を可能とする。整合している課税書類の選別/確認作業については、人手を介さず全てAIで実行できる。

 書類の修正提案では、過去のベテラン職員による修正履歴を特徴量化してAIに学習させることにより、不整合が生じている課税書類のデータ項目の修正方法や修正内容をAIが推定して提示する。この提示を見ながら、業務経験の浅い職員でもベテラン職員と同等に修正することができる。

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