前回は、エッジクラウドにおけるエッジコンピューティングの可能性について説明した。今回はもう少し具体的に何ができるのかを中心に解説する。
エッジコンピューティング市場のメインプレーヤーは?
米Gartnerは、自社のブログで「かつてクラウドが企業のデータセンターを飲み込んだように、エッジがクラウドを飲み込む」と論説している。その中で、既に多くのワークロードがクラウド上で生まれているが、次のトレンドはそのワークロードの大半がエッジに移ると予見している。
クラウドコンピューティングとエッジコンピューティングを比較した興味深いグラフがある。米国の投資・調査会社Cowenは、2008年からのクラウドコンピューティング市場規模の成長結果と、2019年からのエッジコンピューティング市場の成長予測を重ねて比較した。
グラフを見ると、両者の黎明期から10年間の成長カーブは類似している。エッジクラウドの成長もこのグラフと同様の成長カーブを描くと考えられている。世界中のマイクロデータセンターに大量のエッジサーバーを分散して配置する資本力と、世界中に散りばめたエッジサーバーを運用管理する技術力やノウハウが求められるため、既存のCDN(コンテンツ配信ネットワーク)ベンダーとクラウドサービスプロバイダーが、エッジクラウドのメインプレーヤーになるだろう。今それらのベンダーが考えるエッジコンピューティングの最前線の姿を見てみよう。