NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、ブロックチェーン技術を利用してセキュリティ対策のための情報(インテリジェンス)の共有や流通を図る実証実験を11月30日に開始すると発表した。実験参加者を募集している。
サイバーセキュリティのインテリジェンスでは、専門事業者などがサイバー空間などの観測と分析を行い、攻撃者の動向や脅威の傾向、想定される標的といった情報を、企業や組織、個人に提供している。インテリジェンスを活用することで、攻撃などの脅威への備えを講じられ、被害を防いだり抑止したりする効果が期待される。
ただ、詳しい内容の情報などは専門事業者から顧客に販売されるのが一般的で、より広範に共有、活用したり、あるいは一般企業や組織が自ら把握しているインテリジェンスを広く提供したりすることが難しい。
今回の実証実験では、NTT Comがブロックチェーンとスマートコントラクト技術を用いた情報流通プラットフォームを開発し、セキュリティインテリジェンスの流通を実現する。インテリジェンスの提供や販売、検索や購入が可能なほか、売買履歴を基準に提供者の貢献度も可視化する。また、提供されるインテリジェンスの内容をセキュリティ対策に利用可能な形で共有できるという。
プラットフォームのイメージ
実験への参加は無料で、参加者には実験で利用可能なポイントが付与されNTT Comのセキュリティインテリジェンスを購入できるという。応募は同社サイトで受け付けており、期間は2021年3月末まで。
同社は、実験結果を踏まえて2021年度以降の商用化に向け開発を進めるとしている。