みずほ銀行はTISの財務諸表入力ソリューション「SCORE LINK」を活用し、決算書送信や登録業務をペーパーレス化するワークフローを構築した。
新ワークフローシステムは2019年11月に本番稼動しており、約400カ所の支店から集まる各種業務をペーパーレス化し、最大60%の登録業務時間の削減を実現できたという。
ピーク時で月間約1万6000件あった紙の取り扱いがなくなったことで、紙の郵送コストや管理コストと、それに伴う情報漏えいのリスクも改善された。またOCR(光学文字認識)によるデータ化で人の手を介さず正確に決算書情報を読み込めるようになり、決算書の勘定科目を正確に読み解ける人材の不足という課題も解消された。
SCORE LINKを軸としたワークフロー(イメージ)
SCORE LINKは、手動対応していた「帳票振り分け作業」や「登録エリアの指定・選択」「登録補正処理」などをAIで自動化できる。AIが自動的に判断し、OCRで読み取る箇所を自動認識する。さらに勘定科目での細かな差異などを補正する機能もある。
みずほ銀行では、全国約400カ所の支店が取引先企業から入手した決算書を東京の財務分析センターで一元集約し、社内システムに登録する体制で、支店側もセンター側も紙の決算書を前提として業務を行ってきたという。
しかし郵送や管理コスト、情報漏えいリスクなどのほか、不備があった場合は支店に再送を依頼するため2日程度のロスが発生するなどの課題があった。さらに決算書の勘定科目を正確に読み解くのはノウハウが必要なため、慢性的な人材不足やピーク時対応として中国へアウトソーシングをする外注費などがあり、業務の改善が求められていた。