企業の人材開発向けにeラーニングやタレントマネジメントなどのクラウドサービスを提供するコーナーストーンオンデマンドジャパンは10月6日、事業戦略説明会を開催。人工知能(AI)ベースの能力分析エンジン「Cornerstone Skills Graph」を発表した。同社の全てのクラウドサービスで活用される。
同社 代表取締役社長 Jonathan Epstein氏は、コロナ禍における「働き方の『未来』は『現在』の緊急課題。誰もが世界を変えられる特別な存在になれる」と自社の展望を指し示し、日本市場への注力を確約した。
コーナーストーンオンデマンドジャパン 代表取締役社長 Jonathan Epstein氏
米本社Cornerstone OnDemandは4月に人材管理ソフトウェアを手がける米Saba Softwareを買収し、6月に経営陣を刷新。9月には前述した展望を発表している。
米本社が2020年春に実施した調査結果によれば、従業員の能力開発が重要視されていることが浮き彫りになった。従業員1000人とビジネスリーダー500人を対象にした調査結果によると、従業員の76%、人事責任者の88%、人事担当以外の経営幹部の91%が、コロナ禍における労働体験は大幅に変化すると回答している。
コーナーストーンオンデマンドジャパン セールスディレクター 佐藤新太郎氏
コーナーストーンオンデマンドジャパン セールスディレクター 佐藤新太郎氏(元Saba Software)も「コロナ禍でパフォーマンスを発揮するには、新たなコミュニケーションスキルを身につけなければならない。大きな課題になったと認識している」と現状を分析する。
さらにグローバル市場と日本市場の差異について佐藤氏は「コロナ禍前後の日本企業はグローバル企業と比較して、3~5年遅れている状況。たとえば米国ではリモートワークも交通渋滞などを理由に10年前から普及していた。(現在の日本は)コロナ禍でグローバルと同じ取り組みが必要。(ようやく)われわれのソリューションをお使いいただけるようになった」と述べた。
「コーナーストーンパフォーマンス」などオンライントレーニング、「コーナーストーンリクルーティング」といった人材管理などをクラウドベースで提供するコーナーストーンオンデマンドジャパンは、各サービスが日本企業に選ばれる理由として以下のようなポイントを掲げた。
「社員が使いやすいUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)や各種プログラムを網羅的にサポートし、社員が自発的に学び、日々の業務を支える学びを実現する仕組みを提供している。また、中長期にわたるキャリア形成の促進や、グローバル展開する子会社の管理、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に代表されるセキュリティ要件に対応している」(佐藤氏)
コーナーストーンオンデマンドジャパン ストラテジー&マーケテイング担当執行役員 石崎健一郎氏
2019年には日立製作所がデジタルトランスフォーメーション(DX)人材育成の加速を目的に学習管理システム(LMS)プラットフォームを導入し、ライオンも東京五輪開催を踏まえて在宅勤務社員の目的にeラーニングプラットフォームを導入した。
「利用率は2020年4月に2倍、5月は3倍に拡大した」(コーナーストーンオンデマンドジャパン 執行役員 ストラテジー&マーケテイング担当 石崎健一郎氏)