ロボティックプロセスオートメーション(RPA)「Blue Prism」を開発、提供するBlue Prismは10月7日、「Blue Prism Cloud」の国内展開を発表した。人工知能(AI)などインテリジェント自動化に必要な機能をパブリッククラウド経由で利用できる。
11月2日から提供する。ユーザー数やデスクトップ数などには依存しない価格形態を採用し、1ロボットあたり年額311万0000円(5~9ロボット購入時の参考価格)から。
英本社 チェアマン兼CEO Jason Kingdon氏
日本法人 日本担当CTO兼製品戦略本部長 小林伸睦氏
現在のRPAを取り巻く環境について、英本社最高経営責任者(CEO)兼チェアマンのJason Kingdon氏は「15~20年前にあったアウトソーシングに類似している。今後は人と“(RPAで開発したロボットである)デジタルワーカー”、システムが3分の1ずつ業務を担っていく」と述べながら、日本市場への期待を語った。
Blue Prism Cloudは従来のエンタープライズ向けのBlue PrismをMicrosoft Azureから展開するクラウド型RPA。ロボットの稼働状況や自動化プロセスのテンプレートを作成するダッシュボードの「Blue Prism Cloud Hub」や機械学習予測モデルなどを用いてロボットのパフォーマンスを最適化する「Blue Prism Cloud IADA(AI Digital Workforce Manager)」などを組み合わせ、「企業の競争力に直結する『スピード』をもたらす」(日本法人 最高技術責任者=CTO兼製品戦略本部長 小林伸睦氏)
一種のSaaSとも言えるBlue Prism Cloudの特徴はAzureに特化している点だ。たとえば「感情の読み取り」はAzure Cognitive ServicesのFace機能、「非構造化テキストの読み取り」は手書き入力などの認識するInk Recognizerを用いていると思われる。この背景には2018年5月に発表したMicrosoftとの戦略的提携があるとみることができる。
ただし、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)など他のパブリッククラウドでBlue Prism Cloudが動作しないわけではない。「他のパブリッククラウドで展開するためのリファレンスアーキテクチャー」(小林氏)を用いることで運用可能だ。
※クリックすると拡大画像が見られます
Blue Prismはパートナーエコシステムである「DWaaS(Digital Worker as-a-Service)」を通じて、Blue Prism Cloudのシェア拡大を目指す。小林氏は「クラウドへの展開や顧客の課金体系、サーバーレス、PaaSの保守、パートナーが持つソリューションとの組み合わせなど、補完してもらう場面は多い」と説明する。