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富士通が製造業向けサービスを刷新--「COLMINA」ブランドで世界展開

大河原克行

2020-10-13 06:00

 富士通は10月12日、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けたものづくりのソリューションおよびサービスを拡充し、11月からグローバルに順次提供を開始すると発表した。製品ブランドの「COLMINA(コルミナ)」をものづくりソリューション事業全体にリブランディングし、60以上の製品を同ブランドのもとで展開する。製造業の生産オペレーションの効率化や製造設備の稼働状況の可視化、設計・開発業務の高度化などを実現する製品群を提供していく。

リブランディングイメージ
リブランディングイメージ

 同日の記者会見でCOLMINA事業本部長の山本有輝氏は、「エコシステム全体でサービスを提供し、ビジネスそのものをイノベーションする。顧客のDXを支え、製造業全体の新しい価値創造および競争力強化を支援する」と表明した。また、日本やドイツ、北米をものづくりソリューションの開発および機能強化の中心拠点に位置付け、今後は日本、欧州、北米、アジアへのサービスを積極的に提供する。

 現在、COLMINAの事業規模は約200億円で、2025年度までにCOLMINAサブスクリプションサービスおよびニューノーマルに向けたものづくりソリューションビジネスで500億円の売り上げを目指すほか、リージョン発のオファリングを加えた1000億円の売り上げ規模を計画する。

4種類のサービスを展開

 今回拡充するソリューションとサービスは、生産オペレーション効率化や工作機械の効率活用を早期に実現する「COLMINAサブスクリプションサービス」、ニューノーマルにおける製品開発を支援する「リモート設計・開発ソリューション」、ものづくりDXを加速する「ものづくり現場リモートエキスパートサービス」、ストレスフリーで高画質リモートワークを実現する「Design Review 高速リモートデスクトップ」の4つで構成される。

富士通 COLMINA事業本部長の山本有輝氏
富士通 COLMINA事業本部長の山本有輝氏

 COLMINAサブスクリプションサービスでは、製造業向けに提供してきた「COLMINA」のソリューションをサブスクリプションサービスとしてグローバルに提供する。ファナックやNTTコミュニケーションズと設立したDUCNETが、2021年4月にサービス提供を開始する予定の「デジタルユーティリティクラウド(DCU)」を利用し、生産オペレーションの効率化や、工作機械の効果的活用を実現するために設備稼働を可視化する。ここでは、工場ダッシュボードや100画面以上の生産性および品質分析のテンプレート群などを提供することになる。

 また、「スピーディー」「低コスト」「オープン」という3つの価値提供を掲げる。従来製造業各社が個々に構築しているものづくり業務システムをサブスクリプションサービスとして提供することで、さまざまな業務システムを早期かつ初期投資を抑えて利用できるようになるとした。2021年4月からまず工作機械業界向けに展開し、その後は自動車や機械、エレクトロニクス業界に拡大する。価格は月額15万円からになる。

 リモート設計・開発ソリューションでは、2つの製品を提供する。1つは、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのソリューション群「Xcelerator」で、離れた場所にいるエンジニア同士がクラウド上でCADを含めた設計業務を共同で進められるプロジェクトコラボレーションサービスとして提供する。2021年3月に国内提供を開始し、2021年内には欧州や北米などに展開、価格は未定となっている。

 もう1は、米AltairのSaaS型CAEソフトウェア「Altair HyperWorks Unlimited Virtual Appliance」。リモートワークにおけるデジタル製品の開発環境を実現し、突発的な品質検証などにも対応できるようにする。製品開発に必要なCAEや構造シミュレーションなどの解析のソフトウェア群と、その計算を行うためのクラウド環境をセットで提供する。CAE未導入企業でも富士通が提供するPLM(Product Lifecycle Management)製品群やCAE技術サポートと組み合わせることで、ものづくりプロセスにおけるCAEの早期実践につなげられるという。2021年3月に国内提供を開始し、2021年中に欧州や北米にも提供、価格は500ノード時間/2カ月で85万円からになる。

 ものづくり現場リモートエキスパートサービスでは、富士通研究所が開発するストレスのない同時双方向遠隔コラボレーションを実現する技術「Izumina」を活用。これをリモートサービスとして提供する。富士通のものづくり現場で培った実践的技術や知見を持つエキスパートを通じて、設計・製造現場の改善やものづくりDXを実現するサービスとなる。作業内容や順序の見直しによる作業効率化や工程およびレイアウトの見直しによる在庫削減、省スペース化など、生産性向上やコストダウンを支援する。2021年1月から国内での提供を開始し、2021年中にドイツや北米などでも提供する。価格は300万円から。

 Design Review 高速リモートデスクトップは、高解像度のデータを扱う開発作業でも、いつでもどこからでもリモート業務ができるツールになる。4K解像度で45fpsを実現しており、3D CADやCAE、映像やコンピュータグラフィック編集など高画質が要求される場面でも専用ワークステーションが不要で、事務用に導入されたノートPCでもスムーズに操作できるという。

 Design Reviewでは富士通研究所が開発した「RVEC」を採用しており、描画のための通信データを従来に比べ約半分に圧縮することで低速回線でも高精度かつ滑らかな画像転送ができるという。まず2020年11月末に国内提供を開始し、2021年中にドイツや米国に展開、価格は月額1万8000円からになる。

サービス価格の概要
サービス価格の概要

 さらに、クラウドロボティクス市場における新サービスの提供も予定し、工程プランナーやロボットシミュレーターにより、ラインやロボットの構築を効率化する「ロボットSI-Agent」、ロボットをクラウド接続してアップデートする「ロボットLCM」のほか、ローカル5G(自営型第5世代移動体通信システム)でロボットとクラウドの統合による新たなサービスも予定している。これらは、2021年度内に提供する予定だ。

 また2021年度に、PLM(Product Lifecycle Management)およびMES(Manufacturing Execution System)と連携した「ものづくりCPS(Cyber Physical System)」の実現に向けて、設計から製造現場までをデータでシームレスにつなぎ、分析を通じて自律的改善を実現する新サービスも予定している。

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