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ひとり情シス覆面座談会

第22回:ひとり情シスがベンダーの営業に求めているものは何か

清水博

2020-11-19 07:00

 以前実施したひとり情シス覆面座談会の蔵出し企画。4回にわたってひとり情シスの経験談を紹介しています。今回はひとり情シスがベンダーの営業に求めているものは何かについて議論します。今、情報を必要としているひとり情シスの方のお役に少しでも立てれば幸いです。

座談会に参加したひとり情シスのプロフィール
  • スーパーネオ主任:ITリテラシーが極めて高く、社長に進言できる近い存在で、全社の経営戦略にも意見を求められる参謀格。スーパー(超越)でネオ(新しい)なひとり情シス
  • 旧情シス係長:段階的に情報システム部門の規模が縮小して、最終的に現在の人員の一人になった。元々は、COBOLのプログラマー
  • 初めて情シス君:ひとり情シスで運営していた担当者の定年退職を受けて、後任者となった。2年間にわたる引き継ぎ期間の最中
  • スタック先輩:約20年にわたって派遣型常駐エンジニアを続け、その後、中堅企業の情報システム部門のひとり情シスに転身。フルスタックエンジニアとして現場の第一線で働き続けることが信条
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清水:Iシステムを構築するときには、おそらく多くのベンダーの営業担当者と会う機会がありますよね。その際に重視されている点は何でしょうか。

スタック先輩Iベンダーに対してうれしく感じるのは、既に顕在化している課題にとどまらず、私どもがまだ気付けていない潜在的な課題の解決にまで言及していただけるときです。こちらで準備した仕様に全ての要求を盛り込むことが本来の在るべき姿だとは思います。しかし、ひとり情シスの限りある時間の中で用意できる情報は必要最低限になってしまうことが多いので、ベンダーに対する期待値は高くなってしまいます。

旧情シス係長I運用コストの低減について積極的に提案してくれないケースが過去に多少ありました。私どものようにコスト削減が常に念頭にある立場としては、ベンダー側からそういった情報を出してもらえるのが理想です。弊社では機器増設や新規購入といった設備投資が必要なものを持っていないので、ベンダーにとっても判断が難しいところではあると思います。しかし、コスト削減のためにはベンダーの協力が必要なので、ご理解いただけると何よりです。

初めて情シス君IITの経験が浅く、日々勉強している身としては、できるだけ見積もりの項目を分解していただき、費用の内訳がどのようになっているかを理解するところから始めています。過去には不必要なものまで購入してしまったこともありました。ベンダーには少々手間を掛けますが、購入を検討する際にはなるべく費用の詳細項目を確認するプロセスを踏みたいと思います。

スーパー主任Iベンダーを変えると、時間と費用の両面でコストがかかります。ベンダーはできれば1社に統一したいので、できるだけ長期にわたって関係を築いていけるのが理想です。最初は熱心に欠かさず連絡を取ってくれたのに、途中からコンタクトの頻度が落ちて対応が悪くなってしまうようでは困ります。

 そのため、変わらぬ距離感で関係を継続できるかどうかを重視しています。また、最初に大規模導入するよりも後から必要に応じてスポットで増設していく方が検討項目も増え、結果として手間が多いので、そういった場面でサポートしていただきたいです。

清水:Iベンダーは、長期的に関係を築きながらクライアントの仕事に貢献することが理想です。クライアントが抱える本質的な課題を突き止め、最適なソリューションを提示することです。しかし、ひとり情シスは困っていることの解決方法を求めているのがほとんどで、必ずしも有料のソリューションを提案してほしいというわけではないのです。

旧情シス係長I営業職の方がセキュリティ関連の資格を取得しているなど、顧客の立場を理解しようとしているのは好感が持てます。セキュリティに関する情報は常に変化してキャッチアップが大変なので、タイムリーな情報を提供は大変助かります。

スタック先輩Iどれだけ工夫しても実現が難しかったコスト削減について、他ベンダーを調べることで解決方法に出会うことが過去にありました。営業の方には、他社への提案状況なども含めたアプローチやアップデートされた提案構成についても触れてご提案いただけるとありがたく思います。

スーパー主任Iその通りですね。一方で、近年、ハードウェアにかかるコストが減少傾向にあることからも、営業の方に以前までと同じような品質のサービスを求めるのは難しいと思うこともあります。コストの追求はもちろんですが、提案のクオリティーも重視していますので、その点を理解した上でご提案してくださる営業の方にとても親近感が湧くものです。

旧情シス係長I質の点でいえば、システムを2社に分割したことで1社独占の状態と比べてベンダーに高い緊張感が生まれて、より強固なサポート体制になっているように感じます。

清水:I私が若い時分からお付き合いいただいているクライアントとは、現在に至ってもなお交流を続けています。営業職の立場から見ると、クライアントとの出会いには運命を感じるところもあり、全てかけがえのない1社として記憶しております。営業はお客さまに育てられるというように、私自身もたくさんのクライアントから鍛えていただきました。皆さまをはじめとする経験豊かなひとり情シスの方々も、営業職にとっては一生の思い出に残るお客さまになることと思われます。

清水博
清水博(しみず・ひろし)
ひとり情シス・ワーキンググループ 座長
早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス)におけるセールス&マーケティング業務に携わり、米ヒューレット・パッカード・アジア太平洋本部のディレクターを歴任、ビジネスPC事業本部長。2015年にデルに入社。上席執行役員。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手掛けた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。中堅企業をターゲットにしたビジネスを倍増させ世界トップの部門となる。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。2020年独立。『ひとり情シス』(東洋経済新報社)の著書のほか、ひとり情シス、デジタルトランスフォーメーション関連記事の連載多数。

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