編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」

「Windows」エクスプロイト開発者の痕跡を追う--いかにして売買されているのか

Steve Ranger (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-10-20 06:30

 セキュリティリサーチャーらは、マルウェア開発者が作り出したコードの分析によって、「Windows」を標的としたエクスプロイトが売買される、複雑で秘密のベールに閉ざされた世界の片りんを垣間見ることができた。

 セキュリティ企業Check Point Software Technologiesのリサーチャーらは、Windowsのエクスプロイトを数多く作り出している2人の開発者に焦点を当てたレポートを発表した。この2人によって作り出されたと考えられる、Windowsカーネルのローカル権限昇格を引き起こすエクスプロイトは合計すると、少なくとも16種類(その多くは開発時点ではゼロデイ脆弱性を突くものだった)にのぼっている。

 こういったエクスプロイト、すなわちセキュリティ脆弱性を突く武器化されたコードは、マルウェアがその目的を果たす上で重要な役割を果たす。

 このレポートは、エクスプロイト開発者の癖やプラクティスを分析することで、どのようにしてマルウェア開発者(同レポートのケースでは、VolodyaとPlayBitとして知られる開発者)の「指紋」を追跡したのかを記しているだけでなく、ベールに閉ざされたマルウェアの世界の複雑な経済システムに関する洞察も与えてくれる。

 マルウェアを構成する各パーツとなるコードは、1人の個人や単独のチームによって開発されたものだと考えられがちだ。しかし現実は違っている。マルウェア、特に国家や犯罪者集団が関与するマルウェアは、多くのグループによって開発されている。

 今回のレポートにもあるように、ソフトウェアの特定の脆弱性を見つけ出した後、既存のマルウェアと組み合わせてその能力を最大限に発揮できるようなエクスプロイトを開発するには、グループ間での連携が必須となる。このためエクスプロイトの開発者と、国家や犯罪者集団が関与するマルウェアの開発者は、さまざまなコンポーネントを接続できるようにAPIを策定することになる。

 Check Pointのレポートには「このような統合APIは国家が関与するアクターの話でのみ登場するわけではなく、エクスプロイトの『フリーマーケット』でよく見られる特徴だ。地下フォーラムやエクスプロイトの仲介業者、サイバー兵器企業すべては、エクスプロイトをマルウェアに統合する方法についての説明書を顧客に提供している」と記されている。

 こういった開発者(彼らは個人であったり、チームで共同作業をしている可能性がある)は、開発したエクスプロイトを、ランサムウェア犯罪に手を染めているグループと、国家の支援を受けたグループの双方に向けて売り込んでいる。そして、そのエクスプロイトを購入したグループが、自らのマルウェアプロジェクトにそれを組み込むことになる。このようなエクスプロイトがいくらで販売されているのかを知るのは難しいが、過去のエクスプロイトではかなり高い価格が提示されていたのは確かだろう。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]