富士通は、小売業者が業務効率化とデジタル変革(DX)を推進できるソリューションとして、「FUJITSU Retail Solution Brainforce(Brainforce)」の提供を開始する。シリーズ全体で、2022年度末までに関連ビジネスを含め約200億円の販売を目指す。
同ソリューションは、会員数や店舗数に応じた月額料金のため、会員を限定した試行的な運用や、試験店舗から順次拡大するなど、スモールスタートで柔軟な導入が可能だ。
データベースや情報分析、決済などの業務アプリケーションをクラウド上に展開し、それらにアクセスするためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)とスマートフォンアプリで構成しており、必要な機能を短期間で構築できる。必要な機能をAPIから利用でき、また、機能追加する際もシステム開発せずにAPIからすぐに活用できる。さらに購買履歴や行動などの消費者情報をネットとリアル双方を統合して蓄積し管理することも可能で、新たな消費者の接点となるウォークスルー決済やキャッシュレス決済のスマートフォンアプリをカスタマイズ可能なテンプレートで提供する。
「Brainforce」シリーズ全体概要(出典:富士通)
なおシリーズ第1弾として、スマートフォンのアプリで商品バーコードをスキャンすればレジを通さず決済できるサービス「FUJITSU Retail Solution Brainforce ウォークスルーチェックアウト(Brainforce ウォークスルーチェックアウト)」と、キャッシュレス決済に特化したサービス「FUJITSU Retail Solution Brainforce キャッシュレス決済(Brainforce キャッシュレス決済)」の販売を開始した。両サービスの利用価格は、どちらも個別見積もり。
Brainforceウォークスルーチェックアウトの利用イメージ(出典:富士通)
これら2つのサービスは、消費者が自身のスマートフォンのアプリから商品のバーコードをスキャンしながら買い物をし、そのままスマートフォンで決済できるようにする。事業者側は、決済後にスマートフォンに表示されるQRコードを店舗出口などに設置したQRコードリーダーにかざす運用(チェックアウト)により、不正防止を図ることが可能だという。合計金額を確認しながら買い物ができるため買い過ぎを防止でき、レジに並ぶ必要がないため買い物時間の短縮などにつながる。
またこれらのサービスを導入することで、レジ対応人員を効率化しレジ台数を見直すことが可能となり、レジ運用コストや店舗スペースの削減も見込まれる。接客業務や他の業務への人員シフトにより、付加価値の高いサービス提供も強化できる。さらに店舗における消費者の購買履歴や行動データが収集できるため、プロモーションへの活用や新たなマーケティング活動への展開が可能となる。