日本HP、新ワークステーション発表--3D CADなどをリモートで操作

阿久津良和

2020-10-27 07:15

 日本HPは10月22日、ワークステーションをリモートアクセスで使える製品「HP ZCentral」を発表した。1Uラックワークステーション「HP ZCentral 4R Workstation」、省スペース型ワークステーション「HP Z2 Mini G5 Workstation」、クリエイター向けデスクトップPC「HP Z1 Entry Tower G6」、モバイルワークステーション「HP ZBook Fury 15 G7」「HP ZBook Fury 17 G7」、GPUに「NVIDIA Quadro RTX5000」を搭載した「HP ZBook Studio G7」、GPUに「NVIDIA GeForce RTX2080 SUPER」を搭載した「HP ZBook Create G7」も順次提供を開始した。

日本HP 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 九嶋俊一氏
日本HP 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 九嶋俊一氏
日本HP パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 大橋秀樹氏
日本HP パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 大橋秀樹氏

 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 九嶋俊一氏は、コロナ禍でIT担当者が抱える課題として「63%の従業員がIT部門から在宅用ノートPCを配布されたが、37%のプロクリエイターはもっと速いPCを必要としている。さらに(自宅からのリモートワークで)オフィスのワークステーションが休眠状態となった。IT担当者は複数リモートデバイスの一括管理やリモートデバイス増によるセキュリティリスクの増大に悩まされている」と説明。「リソースをラックマウント1カ所にまとめる」ことで課題を解決できるとした。

 ZCentralはラックマウントに格納可能な各Zワークステーションと、リモートアクセスツール「HP ZCentral Remote Boost(旧Remote Graphics Software)」、リモート接続を管理する「HP ZCentral Connect」を組み合わせたものだ。日本HP パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部 本部長 大橋秀樹氏は「ワークステーションの集中管理とエンジニアのリモートアクセスを実現する」と説明する。

 ZCentral Remote Boostはラックマウントに格納したZワークステーションにセンダー、クライアントPCにレシーバーをインストールすることで、Zワークステーションの性能を手元のPCで活用する。

 これまでWindowsや一部のLinuxディストリビューションのみ対応してたが、今回新たに「Red Hat Enterprise Linux」(7.8、もしくは8.1~)、「Ubuntu 18.04 LTS」をサポート。macOS(10.13~)はレシーバーのみ。ZCentral Remote Boostは単品で販売せず、センダーのライセンスをZワークステーションにのみバンドルする形で提供される。

 大橋氏は「ピクセルデータのみを転送するプロトコルを採用しているため、アプリケーションに依存しない。また、ノートPCに合わせて動的に解像度が変化し、タッチ&ジェスチャー操作、4K解像度ディスプレイやマルチディスプレイにも対応。IT管理者の制御で手元のUSBデバイスをZワークステーションに接続する機能も備える」と利点を説明した。

 ZCentralを多様な形で提供することを目的に「HP ZCentral ソリューションパートナー制度開始」を開始する。大橋氏は「ZCentralとワークステーション製品群は設計者やクリエイターのリモートワークをサポートし、生産性の向上をお手伝いする」と説明。ターゲット市場については「最初は既存モデルを利用されている製造業。次は3D CADを使う建設関係やコロナ禍で在宅勤務されるクリエイター」と説明した。

 ラックマウントに格納するZCentral 4Rは、現行の「HP Z4 G4」と同等の性能を持つ1U型。最大18コアのXeon Wや10GbE×1と1GbE×1のPCI Expressスロット、M.2×2スロットなどを備え、最大256GBのメモリーやQuadro RTX8000を搭載可能。ストレージは3.5インチHDD×1+2.5インチSSD/HDD×2、もしくは2.5インチSSD/HDD×4の構成を組める。11月中旬の販売を予定しており、税別価格は39万円~。

ZCentral 4Rの構成 ZCentral 4Rの構成
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