NECは、同社の生体認証/映像分析技術と、エストニア共和国・タリンに拠点を置くRealeyes OÜ(リアルサイズオーウー)の感情分析技術を組み合わせ、遠隔コミュニケーション向けのサービスを共同開発した。2021年1月にNECから発売予定で、グローバルで3600億円規模とされる感情分析サービス市場においてトップシェア獲得を目指す。
同サービスは、PCやスマートフォンで使用されるビデオコミュニケーションツールと連携し、ツール利用者の同意のもと、プライバシーに十分配慮した用途において映像からツール利用者の感情を分析するという。
これを利用することで、非対面であっても、コミュニケーション中の理解に不安がある部分などを即座に把握/察知し、その場で伝え方を工夫したり、発言を促したりすることで円滑な対話や会話の活性化に役立てられるとしている。また分析ダッシュボードを振り返ることで、主催者は会議構成やファシリテーションなどの改善、参加者は自身の反応の振り返り、自己理解への活用など、利用者の目的に合わせてさまざまな用途で活用できると期待される。
会議利用における分析ダッシュボードのイメージ(出典:NEC、Realeyes OÜ)
世界180社以上に導入されているRealeyes OÜの感情分析技術を活用し、ビデオコミュニケーションツール上の映像からツール利用者の興味や注目度などの反応を分析し、分析結果をダッシュボードで一覧として確認できるようにする。ツール利用者は、分析結果をリアルタイムで共有することが可能となる。
両社は2020年8〜9月の2カ月間、同サービスの技術検証を行った。その結果、ウェブ会議における会議参加者の感情を分析し、参加者の感情変化を把握できることが、主催者による自身の進行の振り返りに役立つことを実証したという。
主なユースケースとして社内会議や研修などが挙げられるが、教育現場でも有効利用ができると期待される。
授業中の集中度や困惑度、満足度など全体的な傾向を教師と生徒で共有し、生徒が満足に理解できていないと思われる状況などに即座に対応することを支援できるという。また授業後は、教師は各生徒の反応を振り返って授業内容のブラッシュアップや個別指導に、生徒は自分の反応を振り返って自己学習の深堀にそれぞれ役立てることで、効率的で質の高い学習の実現に役立てられるとしている。
教育利用における分析ダッシュボードのイメージ(出典:NEC、Realeyes OÜ)