慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンターと慶應義塾大学SFC研究所ブロックチェーン・ラボは、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、Japan Digital Design、ジェーシービー、NTT西日本、BlockBaseの5社と共同で、次世代デジタルアイデンティティ基盤の実証実験をMicrosoftと連携して10月に開始した。
この実証では、在学証明書や卒業見込証明書などをスマートフォンアプリへ発行することを想定している。慶應義塾大学の学生を対象に、オンラインで各種証明書の入手を可能にするデジタルアイデンティティ基盤について、機能や標準化などの検証を行う。
同基盤では、名前、住所、年齢などの各種属性に加え、卒業証明書、研修修了証などの各種証明データをオンラインで確実に検証可能にすることを目的にしている。そのため、現在標準化が進んでいる汎用化されたデジタル証明書技術「Verifiable Credentials(VC)」および特定の企業・組織に依存しない分散型モデルで永続性のある識別子を表現する「Decentralized Identifiers(DID)」を活用する。

デジタルアイデンティティ基盤の利用イメージ

デジタル学生証を身分証明として提示し、学生割引チケットを発行
また、就職活動を行う学生に対してスマートフォンアプリでの卒業見込証明を発行し、採用企業に成績証明書や卒業見込証明書を提供するといった民間企業との連携や、転校や編入に伴う地域・国をまたいだ大学間の情報連携も考慮している。国際的な標準仕様への適合と相互運用を実現することで、オンライン授業で受講生の本人確認が円滑になるだけでなく、学生の取得単位についての大学間の情報連携といった手間を削減できるという。