マイクロソフトは米国時間10月28日、「Microsoft Cloud for Healthcare」の一般提供を開始したと発表した。Microsoft Cloud for Healthcareは5月の「Build 2020」で発表された。「Azure」「Microsoft 365」「Dynamics 365」「Power Platform」を活用した機能が提供される。
Microsoft Cloud for Healthcareは「さらに効率のよい医療の提供をより迅速に、容易にし、顧客がエンドツーエンドのセキュリティやコンプライアンス、健康データの相互運用性に対応できるようにする」という。このサービスは、構造化データと非構造化データに対応し、人工知能(AI)を利用した健康管理ボットからオンライン診療まで、あらゆるオプションを提供する。また、患者がセキュアな医療ポータルやモバイルツールにアクセスし、医療チームと直接やりとりできるようになっている。
Microsoft Cloud for Healthcareでは、患者、医療サービス提供者、医療保険機関の三者間で、電子健康記録にアクセスし、記録の相互提供や利用も可能になる。Microsoftは、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)やシステムインテグレーターのパートナーと協力しており、同社の医療クラウドとの連携や機能の追加に向けて進めようとしている。
Microsoftはこれまでに、今後Microsoft Cloud for Healthcareとしてブランド化する可能性のある複数のサービスを個別に提供している。現在の新型コロナウイルスのパンデミックを考えると、Microsoftが同社初の業界別クラウド(バーティカルクラウド)として医療分野をターゲットとしたことは意外ではない。同社は2020年に入り、将来的に他のバーティカルクラウドソリューションを立ち上げるとしていたが、次がどの市場となるかということについて詳細を明らかにしていない。
Microsoftは10年以上前にヘルスケア分野に参入したものの、その後買収したヘルスケア関連の資産の多くを売却している。2017年には、ヘルスケアに注力する「Healthcare NExT」プロジェクトの立ち上げを発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。