調査

Linuxとオープンソース人材の需要続く

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-11-09 08:30

 The Linux Foundationと大規模なオンライン講座プラットフォームであるedXが、2020年版の「Open Source Jobs Report」を公開している。新型コロナウイルスの蔓延が続いている状況でも、オープンソース技術のスキルに対する需要は依然高いようだ。レポートによれば、採用担当マネージャーの37%は、今後6カ月以内に新たにスキルのあるITプロフェッショナルを採用したいと述べているという。

 また、採用担当マネージャーの81%は、今後オープンソース人材を優先的に雇用すると回答していた。さらに56%は、今後6カ月以内にオープンソースの専門家の採用を増やすことを計画している。

 その背景にある理由は単純なものだ。最近公表されたRed Hatの調査では、ITリーダーの86%が、最も革新的な企業はオープンソースソフトウェア(OSS)を使っていると述べている。OSSを利用するメリットとして、ソフトウェアの品質の高さ、所有コストの低さ、セキュリティの高さ、クラウドネイティブな機能などを挙げている。このような認識が広がっていることで、この厳しい時期にも、これまで以上にオープンソースに詳しい人材の需要が高まっているのだ。

 その水準はどれほどだろうか。採用担当マネージャーの93%は、OSSに詳しい人材を見つけるのに苦労していると回答している。実際、採用担当マネージャーの63%が、OSSのスキルを持つ人材を呼び込むために、組織としてオープンソースプロジェクトを支援しており、コードのコントリビューションやその他のリソースの提供を行っていると述べていた。2018年には、この数字は48%だった。

 そのような行動を取っているのは、オープンソースに不慣れで、オープンソースに詳しい従業員を呼び込むために、魅力的に見えるよう努力している企業だけではない。30年近くLinuxのトップディストリビューターであり続けているSUSEも、同様のことをしている。SUSEのグローバル人事ディレクターMarie Louise van Deutekom氏は、「SUSEはコントリビューションを人事採用戦略の一環として捉えている。従業員が、長年の間にわたって、それらのコミュニティに盛んにコントリビューションを行っているのは素晴らしいことだ」と述べている。

 Van Deutekom氏は、オープンソース組織で成功するためには、信頼性が高く、信用でき、話がしやすい人材でなければならないと話す。同氏は、「SUSEにとって信用は非常に重要だ。私たちの透明性を重視して成長しており、顧客やパートナーと協力して活動する際にはこの戦略を用いている」と述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]