マイクロソフト11月の月例パッチ--「Windows」のゼロデイ脆弱性にも対処

Catalin Cimpanu (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-11-11 12:46

 Microsoftは米国時間11月10日、月例セキュリティパッチ「Patch Tuesday」をリリースした。「Microsoft Edge」から「Windows WalletService」まで複数の製品で112件の脆弱性が修正されている。

Microsoft

 また今回のパッチには、実際に悪用されているWindowsのゼロデイ脆弱性に対するフィックスも含まれている。

 このゼロデイ脆弱性(CVE-2020-17087)は、Googleの「Project Zero」と「Threat Analysis Group」(TAG:脅威分析グループ)が10月30日に公表していたものだ。Googleによると、この脆弱性は「Google Chrome」のゼロデイ脆弱性とともに用いることで、「Windows 7」から「Windows 10」までのOSを搭載したマシンを狙う攻撃に利用できるという。

 攻撃者はChromeのゼロデイ脆弱性を悪用してChrome内で悪意のあるコードを実行した後、この攻撃の第2段階としてWindowsのゼロデイ脆弱性を悪用することで、セキュリティ専門家が言うところの「サンドボックス脱出」、すなわちChromeのセキュアなコンテナーを脱出し、Windowsでコードを実行することが可能になる。

 この攻撃の詳細について、この簡単な説明以外には明らかにされていない。

 Googleは10月中旬このゼロデイを発見し、Microsoftがこの脆弱性に対応するための非開示期間を7日間設けたが、Microsoftは期限までにパッチを提供していなかった。パッチは10日より入手可能になった。

 CVE-2020-17087に関するMicrosoftのセキュリティアドバイザリーによると、この脆弱性はWindowsのカーネル内に存在しており、現在サポートされているすべてのバージョンのWindows OSに影響を与える。これにはWindows 7以降のすべてのバージョンと、「Windows Server」のすべてのディストリビューションも含まれている。

 このほか111件の脆弱性が修正されている。そのうち24件は、「Excel」「Microsoft SharePoint」「Microsoft Exchange Server」「Windows Network File System」「Windows GDI+」「Microsoft Teams」などのアプリでリモートコード実行(RCE)の攻撃が可能になる恐れがある。

 11月の月例パッチの詳細、Microsoft以外の主な企業が公開しているセキュリティアップデートの情報は以下の通りだ。

  • Microsoftの公式ポータル「Security Update Guide」には、すべてのセキュリティ更新プログラムがフィルタリング可能な表にまとめられている。
  • 米ZDNetもセキュリティアップデートについて1ページにまとめて掲載している。
  • Adobe関連のセキュリティ更新情報は、公式サイトで詳しく説明されている。
  • SAP関連のセキュリティ更新は公式サイトで公開されている。
  • Intel関連のセキュリティ更新は公式サイトで公開されている。
  • VMware関連のセキュリティ更新は、公式サイトで詳しく説明される。
  • 「Chrome 86」のセキュリティアップデートは、公式サイトで詳しく説明されている。
  • 11月の「Android Security Bulletin」も公開されている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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