通貨処理機などをグローバルで展開するグローリーは、済手段の多様化やキャッシュレス化へのシフトなど、急変する経営環境における次世代製品/新規事業の推進を目的に、オラクルのSaaS(Software as a Service)製品群を採用した。導入プロジェクトは、日本IBMが支援した。
採用したのは、単一のプラットフォーム上で展開している「Oracle Fusion Cloud ERP」「Oracle Fusion Cloud SCM」「Oracle CX Sales」で、その中には、サブスクリプション管理「Oracle Subscription Management」も含まれる。
主力事業である金融機関向けの通貨処理機ビジネスが、キャッシュレス化や銀行の店舗統廃合という市場環境の変化に直面しているグローリーでは、通貨処理技術を応用した顔認証などの次世代の製品やサービスの開発、新たな価値の創出に全社で取り組んでいる。
同社では、新規ビジネスを立上げるに当たり、投資継続の判断や、リソース配分など経営判断を迫られる機会が増えており、旧来のシステムでは、月次締めでしか会計情報を得ることができず、経営の迅速な意思決定に基づく投資の見極めを行うことが困難となっていた。部分最適で継ぎはぎを繰り返していたシステム基盤が限界を迎えており、サブスクリプションサービスなど新しいビジネス形態への進出に当たり、こうした旧来の仕組みで構築したシステムが大きな課題となっていた。
オラクルのSaaSを採用したポイントとして、会計、生産、営業・見積など販売プロセスにわたる幅広い業務領域が、単一のプラットフォーム上に標準プロセスで提供されているため、営業情報から会計、生産までデータが一元的に把握できることが挙げられている。これにより、海外拠点のオラクルの他システムからデータを取り込むことができ、グループ全体でのデータドリブンの経営管理を実現し、迅速な意思決定を支援できるとしている。
また、個別最適で導入してきたシステムをオラクルのSaaSで統合することで、常に最先端のテクノロジーが反映されたクラウド上のアプリケーションを利用でき、セキュリティや拡張性を確保しながら、運用/保守コストの低減も実現できるとしている。オラクルのSaaSは、サブスクリプション管理などの新しいビジネス形態に対応しており、今後もさらに最新機能が四半期ごとにアップデートされる。