ディップはUXデザインをビジネスの現場で活用するための前段階として、ビジネス構造を「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の3つの視点に分解し、それぞれの頭文字を集めた“QCD”の軸から強みを見出すことを推奨している。
その事例として亀田氏は「Wantedly」を提供するウォンテッドリー(港区)の取り組みを披露。ウォンテッドリーは求職者の募集や採用管理といった企業側の採用業務に関わる負担を代替することで、ビジネスを実現しているという。
亀田氏は「ウォンテッドリーはコストをテクノロジーで代替し、DXを実現した」と紹介し、「DX=新規企業創出」と捉えるのではなく、「ビジネスの再開発」であると既存企業の最適化だとすれば容易だと説明した。
具体的な手法として、亀田氏は自社のビジネスモデルを図式化し、工程を可視化、データと業務システムの連携から着手することを推奨している。
たとえばコールセンターであれば、顧客からの問い合わせとオペレーターが提示した回答を音声認識でデータ化することで、データが蓄積され、“データ×UX×ビジネス=DX”が数式が実現するという。
DXに取り組んだ結果、ディップは人材採用での面接や人材派遣、不動産での物件更新、集客など特定の業務に特化したRPAを提供するサービス「コボット」事業を創出するともに、営業メンバーが開発に加わる組織横断型への変化が生じていると説明する。