米Teradataは11月18日、社長兼CEO(最高経営責任者)のSteve McMillan氏らによる日本向けの経営戦略説明会をオンラインで開催した。McMillan氏は、多くの顧客企業がデータにビジネスの成長を期待していると述べ、「データの力をデジタル変革(DX)につなげるプラットフォームを提供する」と表明した。
Teradata 社長兼CEOのSteve McMillan氏
McMillan氏は2020年6月に就任した。近年のTeradataは、従来のデータウェアハウス(DWH)からアナリティクスへのポートフォリオの拡大、クラウドへの対応、サブスクリプション制の導入などビジネスモデルを大きく変えてきた。その過程で前任のOliver Ratzesberger氏が1年足らずで退任する事態もあったが、McMillan氏の就任で再び安定した成長と変革を続ける経営体制を取り戻している。
会見でMcMillan氏は、企業が5G(第5世代移動体通信)やIoT、エッジコンピューティング、AI(人工知能)などのデータを生み出し活用していくテクノロジーを駆使し、データをビジネスの成長に不可欠な資産に位置付けているとした。ただ、データは量も種類も増える一方で、データを収集、蓄積、活用するための環境はサイロ化し、拡張性は乏しく、コスト効率も低い状況で、企業が真に求めるDXへの動きを妨げている。
McMillan氏は、「9月にITの意思決定者へ行った調査では、実に88%がデータとアナリティクスの重要性が高まっていると回答した。データは企業にとって最大の資産であり、新しいビジネスの機会を指し示す。コロナ禍にも直面する中で、ビジネスを回復させ将来に歩みを進めなくてはならない」と語った。
企業のデータ活用の足かせとなる上述の状況に対しTeradataは、2018年11月からデータアナリティクスプラットフォームと位置付ける「Teradata Vantage」を展開する。拡大し続けるデータには、クラウドのリソースを効果的に利用する必要性があることから、同社ではAmazon Web Services(AWS)、Microsoft(Azure)、Google Cloudと協業し、Vantageを各サービスで利用できるようにしている。また、多くの顧客がクラウドライセンスに移行しているという。
パートナーエコシステム
McMillan氏は、オンプレミスとハイブリッド/マルチクラウドのさまざまなリソースを柔軟に組み合わせ、データ活用のための拡張性を実現している点をVantageの特徴に挙げる。加えて広範なパートナーエコシステムを通じ、データを活用した顧客企業のDXの推進に臨んでいくと表明した。
日本テラデータ 代表取締役社長の髙橋倫二氏
国内市場の事業戦略について日本テラデータ 代表取締役社長の髙橋倫二氏は、経営層や事業部門での利用拡大が進み、「顧客の目標をしっかり把握した上で目的へ進むための支援を重視している」と説明。これまでに培った1000種類以上のユースケースを活用したコンサルティングサービスにも注力する。2021年に向けては新規の顧客獲得にも注力し、パートナーエコシステムを拡充していく。新規顧客として、JCBがマーケティングデータ分析基盤をVantageとAWSで構築したことも発表した。
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