日本IBMは、長瀬産業の新材料探索プラットフォーム「TABRASA」のマテリアルズ・インフォマティクス用SaaS(Software as a Service)に関する支援を行った。
支援内容は、事業化に向けたプロジェクトの進ちょく管理や組織体制づくり、IBM Cloud上でのサービス構築、将来的なプラットフォーム構想の具体化などで、新規DX(デジタル変革)ビジネスの立ち上げを支援するコンサルティングを実施している。
マテリアルス・インフォマティクスは、人工知能(AI)や最先端のデータ処理能力を活用して新規材料や代替材料を探索する技術。開発コストの低減や開発期間の短縮や、革新的な素材の発見につながる可能性を探る技術分野となる。
TABRASAは、AIが素材に関する膨大な文献や実験データを読み込んでデータを理解/体系化した上で、ユーザーが求める新材料を推測/提案するプラットフォーム。膨大な物質の化学構造と物性値の関連性を学習することなどにより、ユーザーが求める物質の「化学構造式」を示すことができる。同プラットフォームには、IBMリサーチと長瀬産業とが数年にわたる技術研究/検証などを重ねたAI機能を搭載したマテリアルズ・デザイン技術が適用されている。
日本IBMは、今回フレームワークに基づいたプログラムを通じて、デジタルを活用した新規事業の立ち上げを約10カ月間にわたり支援した。質の高いサービスを事業化するためのコンサルティングとして、ユーザーが利用しやすいSaaSサービスの設計、サービス提供可能な組織体制づくり、サービス運営するためのプロセスとフローづくり、プロジェクトの進行管理、マテリアルズ・インフォマティクスを核とした将来的なプラットフォーム構想を具体化する計画立案を行っている。