沖縄県南城市とうるま市は、NECソリューションイノベータ、りゅうにちホールディングス、沖東交通、NearMe(ニアミー)、ギフティ、タピック沖縄、アンサ沖縄リゾートと共同で、観光振興と地域の活性化を目的に、各種モビリティーを活用した観光型MaaS(Mobility as a Service)の実証実験を実施する。期間は、2021年2月5日~3月28日。
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沖縄県南城市は世界遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」や「おきなわワールド」など、沖縄県うるま市は世界遺産「勝連城跡(かつれんじょうあと)」など多くの観光資産を有している。だが、公共交通機関を利用したアクセス手段や、市内を周遊するための交通ネットワークが少ないため、より自由に移動ができる二次交通の整備や周遊手段の整備が求められている。
今回参加する企業は、2~3月に南城市内でオンデマンド交通や小型モビリティーを活用した観光型MaaSの実証実験を実施。その結果として、参加者の9割以上がジャンボタクシーと小型モビリティーの組み合わせによる南城市内の周遊を高く評価し、再度利用を希望する参加者も9割に上ったという。
今回の実証実験は、実施エリアを南城市に加えてうるま市に拡大するとともに、南城市内での小型モビリティーや市内を巡るコミュニティーバス「Nバス」の活用に加え、キャンピングカーを活用した新たな宿泊体験を提供する。
キャンピングカーは、大型ディスプレイ、Wifi通信環境、空調などをエンジンが停止した状態でも利用できるよう自然環境に配慮し、いわば「動くリビングルーム」のような機能を搭載したオリジナルのキャブコンタイプと、快適性と運転性を考慮したバンコンタイプの2種類を用意する。
また、南城市とうるま市が推奨する観光ルートへの誘致を行う専用アプリに、観光スポットなどに関するミッションを提示し、参加者はミッションを達成して獲得したポイントを、記念品と交換することができるようにする。
なお、各種モビリティーの利用チケットや有料観光施設の入場券を電子化し、利用時に専用アプリ内で電子スタンプを使って認証することで、利便性の提供だけでなく不正利用の抑止につなげられるようにした。
提供プランは、「南城市内の周遊プラン」と「南城市内およびうるま市内の周遊プラン」。両プランで共通するのは、出発地から羽田空港までのタクシー利用(東京23区からの参加のみ)、羽田空港発着の往復航空券(オプション)、那覇空港と南城市間のタクシー利用(那覇空港と南城市間の移動)、専用アプリの利用となっている。
なお観光型MaaSの特性として、旅行中の移動にかかる費用は事前に支払い済みであり、原則として現地で支払いが発生しないこと、斎場御嶽やおきなわワールドの入場チケットが電子化されていること、小型モビリティーは免許証をかざすことでロック解除が可能となり、鍵の受け渡し手続きを省略可能な仕組みとなっていることなどがある。これにより、人との接触を極力低減した運用を行い、新型コロナウイルス感染症対策を行う。
実証実験における各社の役割は以下の通り。
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