本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、ServiceNow Japanが提供するクラウドサービス「Operational Risk Management」を取り上げる。
リスク管理サービスの強化でレジリエンス機能を追加
企業向けクラウドサービスを提供するServiceNowの日本法人ServiceNow Japanは先頃、あらゆるオペレーション状況をリアルタイムで把握、管理する「Operational Risk Management」に、ITシステムリスクからエンタープライズで広範囲にわたる業務リスクまでを含むオペレーショナルリスク管理や、レジリエンス(影響を受けた後の回復力)を高めるための機能を追加したことを発表した。
今日の情勢において、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、加えて経済的、地政学的、気候変動による混乱により、企業や組織にとってのリスクは継続的に高まっている。ServiceNowではこれまでも企業のオペレーショナルリスク軽減を支援してきたが、今回、オペレーショナルにおける障害によって発生するリスクを効果的に管理し、レジリエンスを高めるための機能を新たに提供した。
これにより、企業はシステムや組織のサイロ化をなくし、ワークフローの自動化を実現し、オペレーショナルリスクをより効率的に管理することができるようになる。働き方が変化し続ける環境下においても、事業を継続していくためにあらゆる業務オペレーションのレジリエンスを高める強固な基盤を確立することが可能となる。
今回、追加された機能は、「Operational Resilience Management」。サイロ化された環境においても、継続的な可視性と影響度に応じたガイダンスを提供するものだ。これにより、各事業部門は主要なビジネスプロセスのオペレーショナルリスクを理解した上で管理できるようになる。(図1)
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具体的には、テクノロジー、サプライヤー、オフィスや施設、人材のレジリエンスを計算、追跡し、リスクスコアと影響を受けるプロセスの範囲に基づいてアクションを推奨する。業務オペレーションのレジリエンスに関する英国FCA(Financial Conduct Authority:金融行為監督機構)の規制への準拠や、より広範なニーズへの対応に効果的だとしている。
業務システム基盤を支えるソフトウェアベンダー大手の一角に
以上が発表の概要だが、今回このサービスに注目したのは、ITサービス管理をはじめとして企業の業務システム基盤を支えるソフトウェアをクラウドサービスとして提供し、このところ成長著しいServiceNowがリスク管理サービスにおいてもレジリエンスに対応した最先端の取り組みを始めたからだ。
この機に、ServiceNowのユニークなサービスについて触れておこう。