日立製作所は11月25日、グループで実施している働き方改革と経営改善に向けたノウハウや技術を体系化し、サービスとして2021年1月から順次販売すると発表した。組み合わせ可能な「ワークスペース」「プロダクティビティ」「ワークプレイス」の3カテゴリーによるメニューで構成され、サブスクリプション型サービスとして提供する。料金は個別見積もり。
サービスの概念イメージ
「ワークスペース」は、場所を選ばず仕事ができるIT環境を支援するもので、シンクライアントおよびファットクライアントの特徴を兼ね備えた新端末を用いる「セキュリティPC2.0サービス」、コラボレーションツールのMicrosoft Teamsによる「活用シナリオ作成支援サービス/Microsoft Teams向けアプリケーション活用サービス」を提供する。ここでは、オフィス業務や営業担当向けに「標準セット」、機密情報を扱う部門向けには「オンプレミス型VDIサービス」、開発者やシステムエンジニア向けには「クラウド型VDIサービス」など、ユーザー特性に合わせたメニューを用意する。
「ワークプレイス」では、オフィスの在り方や最適な利用環境などを提案する。従業員の勤務場所やオフィスの活用状況、社内での新型コロナウイルス感染者との接触有無をスマートフォンの位置情報などから把握することで従業員の安全を重視したオフィス管理を支援する「勤務場所・濃厚接触管理サービス」を提供するほか、日立ソリューションズの「仮想オフィスWalkabout Workplace」などを組み合わせ従業員間のコミュニケーションを活性化するサービスや、働き方改革を推進する企業・団体と連携して地方分散や移転など新たな都市部オフィス機能の在り方や地方創生を支えるサービスなども検討、提供する。
「プロダクティビティ」は従業員の生産性の最大化を支援するもので、「1on1 PoC向け日立人財データ分析ソリューション」と「商談先レコメンドサービス(AI活用)」を提供する。前者では、生産性や配置配属の調査結果と勤怠データなどと掛け合わせた分析を通じて従業員の意識を可視化し、1対1のミーティングの普及を支援するサポートプログラムを追加した。後者では、蓄積されたさまざまな営業活動情報を人工知能(AI)で分析し、営業担当者に商談先企業や提案内容をアドバイスとして提案する。
日立は、コロナ禍を受けて約7割の在宅勤務率を達成し、ネットワーク増強や既存システムの改善などのIT環境整備を進めるほか、9月には東京・品川区の事業所をリニューアルしてコミュニケーションスペースの拡充やオンライン会議用の防音個人ブース設置などを行った。10月からはオフィス利用状況の可視化や、職場で新型コロナウイルスの感染が発覚した場合の濃厚接触者の追跡・検知を行う概念実証に取り組む。従業員の生産性向上などに向けた人材活性化などの取り組みも進めているという。