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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」
松岡功の「今週の明言」

Zoomになれなかったブイキューブ間下社長の決意

松岡功

2020-11-27 11:18

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏と、日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏の発言を紹介する。

「Zoomになれなかったのは残念。市場規模や資金力がケタ違いだった」
(ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏)

ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏
ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏

 ブイキューブは先頃、今後の事業戦略についてオンライン形式で記者説明会を開いた。間下氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、「ブイキューブがZoomになれたチャンスがあったのではないか」と聞いた筆者の質問に答えたものである。

 ブイキューブはウェブ会議システムを2004年に商品化し、それをベースに今では「コミュニケーションDX(デジタルトランスフォーメーション)」を掲げてさまざまな用途向けの製品・サービスを展開している。主力のウェブ会議システムは2019年まで13年連続で国内トップシェアを維持してきた。

 好調な業績も含め、間下氏が会見で説明した内容は関連記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。

 筆者の質問の前提としては、新型コロナウイルスの世界的な大流行でリモートワークが広がった中、そのツールとなるウェブ会議として米国生まれのZoomが一気に普及した経緯がある。その上で、まずは同氏の返答を紹介しておこう。

 「当社がZoomになれたチャンスがあったのではと言われれば、あったと思う。ただ、そのためには当初から米国の会社として始める必要があった。まず巨大な米国市場を対象とし、そこでの成功を弾みにグローバルに打って出る。米国の会社はそうして当初からグローバル市場を狙っている。なぜ、そんなことができるのかと言えば、対象となる市場の規模が大きいのと、それを背景とした株式市場のサイズ感が異なるので動く資金が日本などとはケタ違いだからだ」

 さらに、こう続けた。

 「当社が主力とするのは日本市場。ただ、当初からグローバル市場の動きは意識しており、Zoomの動きなども以前から分かっていたが、巨大な市場のニーズが動き出すと、それに伴って巨額の資金も動き出し、そのスケールの大きさにどうにも対抗することができなかった。当初からグローバル市場に出ていくことを狙うなら、これからは米国か中国の市場を主力としてスタートしないと難しいだろう。当社としてはそうした中で、いち早くZoomの取り扱いも始め、主力である日本市場、そしてアジア地域において、コミュニケーションDX分野のトッププレーヤーになるべく注力していく決意だ」

 この決意通り、同社は図1に示すように「コミュニケーションDXの基盤となるプラットフォーム」を“生業”にしていく構えだ。

図1:ブイキューブは「コミュニケーションDXの基盤となるプラットフォーム」を“生業”に(出典:ブイキューブ)
図1:ブイキューブは「コミュニケーションDXの基盤となるプラットフォーム」を“生業”に(出典:ブイキューブ)

 筆者が間下氏に「Zoomになれたチャンスがあったのでは」と聞いたのは、5年前に同氏を初めて取材したとき、既にウェブ会議から「ビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」へと事業拡大を描き、グローバル展開にも強い意欲を示していたからだ。

 従って、今年に入ってZoomが一気に普及していくのを見て、筆者はむしろ、同氏が悔しい思いをしているのではないかと感じていた。2分ほどの返答の中には「残念」という言葉が4回出てきた。その悔しさを胸に、ウェブ会議からコミュニケーションDXへ“ゲームチェンジ”して、さらなる躍進を遂げてもらいたい。

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