チームビューワー、製造業向けARソリューション「TeamViewer フロントライン」を発売

大場みのり (編集部)

2020-12-01 10:00

 リモート接続ソリューションを展開するTeamViewer ジャパン(チームビューワー)は11月25日、製造業の現場などを対象とした拡張現実(AR)ソリューション「TeamViewer フロントライン」の日本における販売を開始した。同ソリューションは、ARによるリモートサポートとワークフロー管理を可能にするという。発売に伴い同日、発表会が開催された。

 チームビューワーは2005年にドイツで創業し、2018年に日本法人を設立。200カ国以上で利用されており、65万社以上の企業が導入している。

 同社は8月、ウェアラブルコンピューティングを手がけるUbimax(ユビマックス)を買収。今回発売したTeamViewer フロントラインは、同社のリモートデスクトップソフト「TeamViewer」にユビマックスの技術を統合したソリューションだ。

 チームビューワーのソリューションはこれまで、製造現場のほか、建設、通信、医療、教育などさまざまな現場におけるリモート操作や協働作業を支援してきたという。ユビマックスとの統合により、ウェアラブルコンピューティングを活用したARソリューションが加わり、より利便性の高いリモートサポートを提供することができるとしている。

 製造業では従来、技術者による機器操作やトラブル対応など、人と現場を中心とするものづくりが行われてきた。だが最近は、人手不足や後継者問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行による業務制限などの課題が生じており、DX(デジタル変革)による業務効率化や生産性向上が急務となっている。

 そんな中、TeamViewer フロントラインは、スマートグラスやスマートフォンで管理者と作業者をつなぎ、現場に赴かなくても映像や音声による作業の共有、ドキュメントや手順の確認、数値や結果の入力をハンズフリーで行うことを可能にする。同ソリューションは、海外では既に400社以上で利用されており、BMWやCoca-Colaなども顧客だという。

 TeamViewer フロントラインは、4つのソリューションで構成されている。「xPick」では倉庫でのピッキング作業、「xMake」では製造工程を最適化。「xInspect」では、保守や検査を最適化し、「xAssist」ではアドホックサポートを効率化する。チームビューワー ビジネス開発部 部長の小宮崇博氏は「それぞれの業務におけるベストプラクティスが詰まった“ready-made”のソリューション」と説明した。

(出典:チームビューワー) (出典:チームビューワー)
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 同ソリューションは、iOSとAndroidデバイスで使用可能。技術専門家とライブビデオを共有することで、作業プロセスにおけるトラブル解決を支援する。さらに、2要素認証のほか、顧客のディレクトリーを介したシングルサインオンを含むIDやアクセス管理を導入し、セキュリティの強化とユーザー管理の一元化を実現するという。

 注力する業界は製造、建設/土木、流通、医療で、企業規模はエンタープライズと中堅企業。同ソリューションは、ディストリビューター、コンサルタント、システムインテグレーターなどの「フロントラインパートナー」を通して顧客に提供する。これにより、コンサルティングや導入支援、ユーザーサポート、トレーニングといった幅広い支援を実現するという。

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