三井情報は三井物産の基幹システムについて、SAP ERPからERP(基幹系情報システム)スイート「SAP S/4HANA」へ移行するプロジェクトを完了した。SAPジャパンが発表した。三井情報は、SAPの最上位サポートサービス「SAP MaxAttention」を活用してこのプロジェクトに着手し、新基幹システムは2020年9月から本番稼動している。同システムは、国内拠点とグループ会社の8000人以上が利用している。
同プロジェクトでは、動作環境をパブリッククラウドのMicrosoft Azureへ移行。さらに、SAP S/4HANAへのコンバージョンに加え、基幹システムの運用にかかるコストとリソースを削減するために、国内拠点と国内グループ会社で分けて運用していたインスタンスを1つに統合した。

システム概要図(出典:SAPジャパン)
移行作業は、既存の基幹システムで利用しているアドオンが流用可能で、業務への影響が少ないシステムコンバージョン方式を採用した。アドオンを含む既存のSAP ERP環境で稼動している機能をそのままSAP S/4HANAへ移行させることで、基幹システムを再構築するリビルド方式と比較して、移行にかかるコストが約6分の1まで削減、期間も約半分に短縮されたという。
さらに、インスタンスの統合により運用にかかるリソースが減ったことで、ランニングコストの削減につながった。また、ペーパーレス化のさらなる促進のため、基幹システムのワークフロー機能を拡充。SAP S/4HANAで承認が完結するプロセスを増やしたため、リモートワークでも滞ることなく承認作業が可能になったという。