日立製作所、日立物流、日立キャピタルの3社は、ドライバーの生体・運転データを人工知能(AI)で分析することで、安全運行管理を統合支援する「SSCV-Safety(安全運行管理)」の外販に向けて協業を開始した。
2021年4月以降に物流業や製造業、卸売業、小売業、バス、タクシーなど幅広い業界における輸送業務向けSaaSとして「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」の提供を開始する。
サービスの概要(出典:発表資料より)
SSCV-Safetyは車両運行前後および運行中のドライバーの生体データ(体温、血中酸素濃度、血圧、自律神経など)や、ドライブレコーダーなどから取得した運転データ(前方車間距離、ブレーキ、加速度、運転時間など)を収集してクラウドに蓄積、AIを活用して分析した結果を可視化し、帰着後に効果的に振り返ることができるシステム。
日立物流は、2016年から「事故ゼロ」の実現に向けてドライバーの疲労度に着目し、生体情報や運行記録などと「ヒヤリハット」や事故との相関性の分析に着手し、2017年に自社内でシステム開発を開始した。さらに2018年、日立製作所や日立キャピタルグループなどとともに、「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」に向けた共同研究を行い、研究結果から得られた知見・データを生かして分析精度を向上し、同年からSSCV-Safetyを自社車両に導入を開始している。
一方、日立製作所は、物流分野においてAIやIoTなどのデジタル技術を活用したLumadaソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics」を有しており、配送計画を自動立案する「配送最適化サービス」などを提供している。
今回、日立物流グループの事業用自社車両に既に搭載しているSSCV-Safetyを、日立のHitachi Digital Solution for Logisticsと組み合わせてサービス化することにした。
将来的には、SSCVの「Smart/業務効率化」や「Vehicle/車両管理」の各機能の実装や、日立キャピタルの請求回収機能を活用した従量課金などのオプションサービスを含めたサービス拡充を検討していく。