三井情報は同社の基幹システムのSaaS(Software as a Service)移行に伴い、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用して導入を支援した。利用したRPA基盤はUiPathで、移行プロジェクトの途上で発生した膨大な入力業務を自動化したという。UiPathが発表した。
三井情報はSAP S/4HANA CloudとSalesforce Sales Cloud(Sales Cloud)を採用し、基幹システムのSaaS移行を行った。新基幹システムでは、営業担当者がSales Cloudに入力した内容がAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)連携により、SAP S/4HANA Cloudに自動反映される「シングルインプット/マルチアウトプット」を実現するという。
一方、現状提供されているAPIだけでは、全ての必要なデータをAPI経由で連携するという当初の構想を実現することが困難で、膨大な人的リソース投入による入力業務を行って連携を行わなければならないことが判明した。そこで同社はUiPathプラットフォームを導入し、当該業務の自動化を図ることにした。
導入後は、「UiPath Orchestrator」が稼動する中央管理サーバーの配下にUiPath Robots40台が稼働し、Sales CloudからSAP S/4HANA Cloudへの受発注業務のデータ連携を処理している。これにより、本来であれば20〜30人規模の人員を配備して実施すべき1日当たり1万件の入力業務の自動化が実現している。
UiPathプラットフォームについて同社は、トライアル導入での2週間連続稼働においても不安定さが認められなかったことや、オブジェクト指定によるデータ入力が可能で、クラウドサービスの頻繁な画面変更にもスムーズな対応が可能なことを高く評価したという。また、利用を予定している各種クラウドサービスとの連携モジュールが用意されているほか、連携のためのAPI実装も柔軟に行えることも採用の決め手となったとしている。