ガートナー ジャパンは、企業のデジタル化をリードしているIT部門が約2割しか存在しないとの調査結果を発表した。アナリスト シニア ディレクターの片山博之氏が、「CEOに1ページで見せるIT部門の価値:2021年バージョン」という講演で明らかにした 。
日本企業におけるデジタル化へのIT部門の関与の状況
ガートナーは、6月に年商1000億円以上の国内企業のCIO(最高情報責任者)やITリーダーを対象に調査し、この中で「自社のデジタル化にIT部門はどのように関与していますか」と尋ねた。その結果、「関与しており、取り組みをリードしている」との回答は23%だった。一方、「関与しているが、取り組みのリードはしていない」は40%、「関与していない/分からない」は37%とだった。
講演の中で片山氏は、「ビジネス部門の要求通りにITを構築する」「コストとリスクにだけ注力することで全体最適を実現する」ことは、IT部門としてのタスクとしては重要とはいえ、経営トップからすれば当たり前な行動であるとした。その上で、IT部門の価値を高める行動については、「働き方改革をサポートする」「ビジネスの効率化や拡張をサポートする」「デジタル化のサポートをする」といったことが挙げられるとし、さらに、上流の企業全体のデジタル化をリードしていくことが、価値向上につながるとした。